ロスコスモス

ロスコスモスについて

ロスコスモス（ロシア語：Государственная корпорация по космической деятельности "Роскосмос"、英語：Roscosmos State Corporation for Space Activities）は、ロシア連邦における宇宙開発の全般を手掛ける国営企業です。ロシア宇宙の中心は、モスクワ近郊のスターシティに位置しています。ロスコスモスは2016年に設立されるまで、ロシア連邦宇宙局と民間の宇宙企業を統合した形で発展してきました。

歴史的背景

ソビエト連邦の崩壊後、1992年2月にエリツィン大統領の政令により、ロシア宇宙庁が新たに設立されました。この際、ロシアはソビエトの宇宙開発技術や設備を受け継ぎ、1999年にはロシア航空宇宙局への改組を経て、2004年にはロシア連邦宇宙局となりました。

この宇宙庁設立以来、ロスコスモスは数々の重要なプロジェクトに関与しています。宇宙ステーション「ミール」の運営や国際宇宙ステーション計画への参加、ソユーズ宇宙船やプログレス宇宙船の開発と運用、さらにはアンガラロケットの開発、月・火星・金星探査機の準備など、多岐にわたる宇宙活動を行っています。特に、2011年にNASAのスペースシャトルが退役して以降は、ロスコスモスが世界の有人宇宙事業を独占する状況が続いきました。

構造と機能

2015年には、ロシア政府が国営企業統一ロケット・宇宙会社（ORKK）を統合しロスコスモスを新たに発足させました。以前の経験を活かし、宇宙産業の立て直しを目指しており、原子力分野の成功事例も参照しています。この新機構は、複数の局や部門から成り立ち、宇宙活動の統制と管理を行っています。特に、操縦プログラム局や宇宙活動組織総合統制局などの専門部門が設けられています。

最近の動向

2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始した際、ロスコスモスは経済制裁の対象となりました。3月12日には、ロスコスモスのドミトリー・ロゴジン社長が国際宇宙ステーションへの補給船の運用が難しくなる可能性を指摘し、制裁解除を求める発言をしました。これに加え、2024年以降に国際宇宙ステーションからの離脱を表明し、独自の宇宙ステーションを構築する計画も発表しています。この施設は、6つのモジュールで構成された新型ステーション「ロス」（ROSS）の構想として示されています。

宇宙発射場

ロスコスモスが管轄するロシアの主なロケット発射場には、バイコヌール宇宙基地、プレセツク宇宙基地、ボストチヌイ宇宙基地等があります。また、航空宇宙軍の管轄下にもいくつかの発射場があります。

まとめ

ロスコスモスは、ソビエト時代の宇宙開発の遺産を受け継ぐとともに、現代の宇宙技術を駆使してさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。その動向は、国際的な宇宙活動にも大きな影響を与えており、今後の展開が注目されています。

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