ソーダ・ファウンテン

ソーダ・ファウンテン：清涼飲料水の提供システム

ソーダ・ファウンテンとは、アメリカ合衆国で生まれた、清涼飲料水を手軽に提供するためのシステム、およびその設備を指します。レストラン、ファストフード店、コンビニエンスストアなどで広く利用され、アイスクリームや軽食と共に提供されることも多いです。薬局に併設され、医薬品と一緒に提供されるケースもありました。近年では、セルフサービス形式が一般的です。

歴史と普及

19世紀から20世紀中頃にかけては、カウンター形式の軽食堂が主流でした。その後、扱いやすいディスペンサーが普及し、顧客が自ら好きな飲料を選び、紙コップに注ぐセルフサービスシステムが導入されるようになりました。カップのサイズによって料金が変わる場合や、おかわり自由な店舗もありました。

日本では、コンビニエンスストアのローソンが1980年代に「ソーダ・ファウンテン」というブランド名で導入したことで広く知られるようになりました。競合のセブン-イレブンは「ポスト・ミックス」というブランド名で同様のサービスを提供していました。現在、日本のローソンとセブン-イレブンではこのサービスは終了していますが、タイのセブン-イレブンでは現在も提供されています。

ディスペンサーと飲料

ソーダ・ファウンテンの中核となるディスペンサーは、濃縮されたシロップを水または炭酸水で希釈し、蛇口から提供する仕組みです。こぼれた飲料は排水口に排出され、飲料は冷やされて提供されます。温かい飲料を提供する場合には、湯で希釈します。この技術は、紙コップ式の自動販売機にも応用されています。

日本では、ファストフード店やファミリーレストランなどでディスペンサーが利用されています。ファミリーレストランでは「ドリンクバー」として、複数のディスペンサーを設置し、様々な種類の飲料を提供するコーナーが設けられていることが一般的です。

使用されるシロップは、主要な清涼飲料メーカーから業務用として流通しています。オレンジジュースのような濃縮還元タイプや、炭酸飲料の場合は希釈済みのものが、専用の容器で供給されています。