ソーラ・システム (ガンダムシリーズ)

ソーラ・システムの概要

ソーラ・システムは、アニメ『機動戦士ガンダム』および『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空の兵器で、地球連邦軍が宇宙要塞に対抗するために開発した支援兵器です。この兵器は、南極条約により核兵器の使用が禁止された背景から誕生しました。そのため、敵の巨大なアステロイド要塞に対処するための新たな戦術が必要とされ、ソーラ・システムが考案されました。

基本原理と構造

ソーラ・システムは、多数の小型ミラーパネルを利用し、太陽光エネルギーを集中して対象に照射する仕組みを持っています。使用されるミラーのサイズは20m×10mで、重量は2kg程度です。ミラーはガスジェット式の姿勢制御バーニアによって移動し、適切な位置に配置されます。

稼働中は、ミノフスキー粒子により400万枚以上のミラーを急速に展開し、そのコントロールには高度な技術が求められます。ワッケインのセリフによれば、この展開には約15分を要します。このシステムの焦点部分は1万度以上の高温に達し、対象を溶解・蒸発させる力を持つ超大型の太陽炉として機能します。

使用時には、各ミラーの制御が非常に複雑であるため、地球連邦軍の旗艦タイタンのメイン・コンピュータがほぼパンク寸前になったというエピソードも存在します。ミラーが一度設置されると、継続的に攻撃を行うことが可能ですが、ミラー自体は抵抗力を持たず、護衛艦隊の護衛が必要です。

劇中での活躍

一年戦争とソロモン攻略戦

ソーラ・システムは、初めてソロモン攻略戦（チェンバロ作戦）に投入されました。この作戦では、ジオン公国の要塞に決定的な打撃を与えるため、第二艦隊（司令官：ティアンム中将）の指揮の下で運用されました。旗艦タイタンでシステムの制御が行われ、周囲の部隊による陽動作戦のもと、ソーラ・システムは敵に感知されることなく、要塞の一部を瞬時に破壊しました。これにより、防衛線を突破し、地球連邦軍のモビルスーツ部隊が要塞へ接近することが可能になりました。

ア・バオア・クー攻略戦

ソロモン攻略の成功後も、ア・バオア・クー要塞攻略に使用されるべく輸送されていたが、途中でソーラ・レイの攻撃により艦隊ごと消失してしまいました。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、この戦闘でソーラ・システムが破壊されたとされています。

デラーズ紛争における改良

一年戦争後には、さらなる改良が加えられた「ソーラ・システムII」がデラーズ紛争で使用されました。これにより、コロニー落としを阻止するために、軽量化されたミラーを展開し、従来のものと同等の攻撃力を持たせることができました。とはいえ、コントロールシステムが肥大化し、大型の専用コントロール艦が必要になりました。しかし、実戦中に指揮艦が沈没し、出力が制限されたことで計画は失敗に終わりました。

第一次ネオ・ジオン抗争

宇宙世紀0088年、ハマーン・カーン不在の小惑星アクシズを攻略するため、エゥーゴ艦隊は再びソーラ・システムIIを運用しましたが、敵兵器によってエネルギーが吸収され、逆に攻撃を受ける事態となりました。これにより、作戦は大破し、失敗しました。

結論

ソーラ・システムは、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズの中で特異な位置づけを持つ兵器であり、大掛かりな戦術の中心的存在です。その運用の複雑さや、戦局に与えた影響は、視聴者にとっても印象的な要素となっています。

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