ソーラーアーク

ソーラーアーク（Solar Ark）の概要

ソーラーアークは、三洋電機が2002年に開館した太陽光発電の拠点であり、岐阜県に位置しています。この施設は、三洋電機の設立50周年にあたる記念事業の一環として建設されました。その構造は、設計者井植敏のビジョンに基づいており、請負業者には鹿島建設が選ばれました。名前の「アーク」は、箱船を意味し、21世紀に向けて力強く航海するイメージを象徴しています。

全体は4本の柱のみで支えられた構造で、地上から浮いているような特異なデザインが魅力的です。これにより、独自の建築美を持ちながら、同時に環境に優しい施設としての役割を果たしています。また、土地は東海道新幹線の沿線にあり、名神高速道路からも遠目に見ることができます。夜には、77,200個のLED照明が美しい演出を行い、視覚的にも楽しませてくれました。

施設内には、太陽電池科学館ソーラーラボが設置されていました。これは2002年に開館し、太陽光発電や環境問題に関する展示を行っていましたが、現在は閉館しています。以前は一般公開されており、入館料は無料で、開館時間は午前9時30分から午後4時30分まででした。月曜日は休館日であり、月曜日が祝日の場合には翌日がその休館日となっていました。2009年以降は団体客のみを対象とした入場に変更されました。

施設の中央には、130トンの水を貯えた池、長さ40メートル・高さ2.35メートルの滝、そして高さ5メートルの噴水が設置されており、これらは「ウオーターデザイン」と呼ばれる美しい景観を形成し、「箱船」の生命感を引き立てていました。さらに、水質を浄化するための「三洋アクアクリーンシステム」も導入されており、水を電気分解し、電解次亜塩素酸を発生させることでレジオネラ菌の発生を防ぐ役割を果たしていました。

2011年には、中央に掲げられていた「SANYO」のロゴが新たに発足したパナソニックグループのロゴ「Panasonic」に変更されました。さらに、2022年にはパナソニックホールディングスが土地を大阪府の不動産会社に売却することを決定し、同年の夏にソーラーアークの太陽光発電機能が停止しました。それに伴い、ロゴも撤去され、正面玄関も閉鎖されました。

施設の仕様

ソーラーアークの構造は、鉄骨で作られた立体トラス構造です。具体的な仕様は以下の通りです。

• - 築造面積: 3294.48平方メートル（996.58坪）
• - 南面総面積: 約7500平方メートル（2269坪）
• - 大きさ: 全長315メートル
• - 高さ: 中央部31.6メートル、最高部37.1メートル
• - 幅: 上部4.3メートルから下部13.7メートル
• - 両端部下弦地上高さ: 20メートル
• - 柱スパン: 長辺126.6メートル、短辺13.7メートル
• - キャンティレバー: 94.2メートル
• - 重さ: 3000トン
• - 太陽電池: 単結晶シリコン製
• - パネル枚数: 5,046枚（各パネルのサイズは幅1320mm×高さ895mm×厚35mm）
• - 最大出力: 630kW
• - 年間発電量: 約53万kWh

このように、ソーラーアークは独自のデザインと太陽光発電技術を組み合わせ、地域のシンボルとしての役割を果たしてきました。2002年にはその環境デザインにおいてグッドデザイン賞も受賞しています。

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