ソー・デム・ハッピー

アレサ・フランクリンの『ソー・デム・ハッピー』

アレサ・フランクリンが2003年にリリースしたアルバム『ソー・デム・ハッピー』は、彼女の音楽キャリアにおける重要な作品の一つです。このアルバムは、彼女にとって五年ぶりとなる新作アルバムであり、長年の契約があったアリスタ・レコードとの最後の作品でもあります。アレサ・フランクリンはこのアルバムをもって、1980年から続いたアリスタ・レコードとの関係を終了しました。

アルバムの背景と収録曲

このアルバムは、R&Bの新しい風を感じさせる力作であり、「ホールディン・オン」や「ノー・マター・ホワット」など、メアリー・J. ブライジとのコラボレーションによる楽曲も収録されています。特に「ホールディン・オン」にはアール・クルーの曲「The Sponge」のサンプリングが使用されており、現代的なアプローチが感じられます。アルバムには全11曲が収録されており、以下のような曲目が含まれています:

1. ザ・オンリー・シング・ミッシン - "The Only Thing Missin'" (3:07)
2. ワンダフル - "Wonderful" (4:04)
3. ホールディン・オン - "Holdin' On" (4:37)
4. ノー・マター・ホワット - "No Matter What" (4:33)
5. エヴリバディーズ・サムバディーズ・フール - "Everybody's Somebody's Fool" (4:35)
6. ソー・デム・ハッピー - "So Damn Happy" (4:29)
7. ユー・アー・マイ・ジョイ - "You Are My Joy" (2:34)
8. フォーリング・アウト・オブ・ラヴ - "Falling Out of Love" (4:31)
9. エイント・ノー・ウェイ - "Ain't No Way" (4:37)
10. グッド・ニュース - "Good News" (4:55)
11. ユー・アー・マイ・ジョイ（リプライズ） - "You Are My Joy (Reprise)" (2:39)

また、日本盤にはボーナストラックとして、ジ・オンリー・シング・ミッシンの様々なリミックスが含まれています。

評価と反響

『ソー・デム・ハッピー』は、リリース後すぐにアメリカ国内で広く認知され、Billboard 200では33位、R&Bアルバム・チャートでは11位にランクインしました。また、第46回グラミー賞では、収録曲「ワンダフル」が最優秀トラディショナルR&Bボーカル・パフォーマンス賞を受賞し、アルバム自体も最優秀R&Bアルバム賞にノミネートされるなど、評価の高い作品となりました。

音楽評論家たちの反応も様々で、オールミュージックのジョン・ブッシュは5点満点中4点をつけ、「インディア・アリーやジル・スコットが同時代に発表したレコードを思わせる」と分析しています。一方で、『ガーディアン』のベティ・クラークは2点という低評価を付け、「若者向けに作ろうとしたが結果的に薄っぺらなものになった」と厳しい見解を示しています。特に、バート・バカラック作の「Falling Out of Love」については情感が欠如したカラオケに過ぎないと評されるなど、賛否が分かれる結果となりました。

まとめ

全体として『ソー・デム・ハッピー』は、アレサ・フランクリンの音楽性が詰まった作品であり、彼女の深い歌声と技術を堪能できる内容となっています。また、アルバムの制作には多くの才能あるミュージシャンが参加しており、特に楽器編成やアレンジの豊かさが際立っています。リリースからの年月が経った今でも、彼女の影響力と才能は色あせていないことを証明する作品です。

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