ソ連派

ソ連派とは

ソ連派は、社会主義者や共産主義者の中で、特にソ連の方針を支持する人々や団体を指す名前として広く知られています。この用語は、一般的にはロシア革命以降、特にソ連の社会主義政策を支持する各国の共産党を示す際に使用されます。しかし、特に中ソ論争が持ち上がった際には、より特定的な意味も持つようになりました。

ソ連派の起源

ロシア革命と第二インターナショナルの分裂を受けて、コミンテルン（第三インターナショナル）が設立されました。この組織の下で、多くの国の社会主義政党がソ連の社会主義理論、すなわち「暴力革命」や「プロレタリア独裁」、「生産手段の国有化」などを受け入れ、ソ連コミュニスト党の指導を仰ぎました。

第二次世界大戦後には、中ソ間での対立が深まるにつれて、各国の共産党は「ソ連派」と「中国派」に分かれることとなりました。この分裂は、特に中ソ論争の中で表面化し、どちらの立場を支持するかが大きな課題となりました。このように、「ソ連派」という用語は、単にソ連の支持を表すだけでなく、派閥間の対立を示す重要な概念でもあります。

各国におけるソ連派の歴史

日本

日本では、ソ連派の影響が特に戦後の二大左派政党である日本共産党と日本社会党に見られます。日本共産党内には、ソ連の「平和共存」政策に賛同したグループが存在しましたが、これらは「ソ連盲従分子」として除名されました。また、日本社会党の左派内にあたる社会主義協会も、ソ連支持の姿勢を明確にし、「ソ連派」として認識されています。こうした潮流は、国の社会主義運動における複雑な派閥関係を生む原因ともなりました。

中国

中国においては、第二次世界大戦以前から中国共産党とソ連の関係は深く、特に王明らが主導した時期にはソ連の影響を色濃く受けていました。しかし、その後の毛沢東の台頭により、ソ連派の影響力は衰えていきます。文化大革命中、毛沢東派が権力を握った際には、ソ連との関係を持つ実権派が粛清されるなど、内部対立が激化しました。

北朝鮮

北朝鮮でも、ソ連派は日本の植民地時代にソ連で活動していた抗日民族運動に由来していますが、金日成が権力を確立する過程で多くのソ連派が粛清されました。

フィリピン

フィリピンでは、1930年代に設立されたフィリピン共産党が「ソ連派」とされることがありますが、実際にはソ連との組織的な関係は薄く、主に思想的な影響が間接的だったため、この呼称には疑問が残ります。

インド

インドにおいては、1925年に設立されたインド共産党が独立後にインド国民会議と連携を取りましたが、中印の国境紛争を受けて党内の意見が分かれ、親ソ派となることから新たにインド共産党マルクス主義派が結成されました。これにより、インドの共産主義運動はさらに多様化しています。

結論

以上のように、ソ連派という用語は、単にソ連の方針を支持する立場を指すだけではなく、各国の共産主義運動における歴史的な背景や、国内の対立構造を理解するための重要な概念です。このような複雑な関係性は、現在の社会主義や共産主義の動向にも影響を与えており、その語源や変遷を掘り下げることは、今後の政治的分析においても意味深いことと言えるでしょう。

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