ソ連派 (朝鮮)

ソ連派の概要と歴史

ソ連派とは、第二次世界大戦後の朝鮮半島北部、現在の北朝鮮における体制に参加した朝鮮系ソ連国民のことを指します。このグループは、ソ連社会主義共和国連邦内に住んでいた朝鮮人が主成分で、彼らはソ連軍として朝鮮半島に進駐し、その後、北朝鮮の統治機構に参加しました。しかし、内部の権力闘争に敗れ、多くは粛清の運命を辿りました。

ソ連系朝鮮人の移動と貢献

19世紀、大規模な移住が始まった結果、咸鏡道付近の清国の領域やロシアの沿海州に住む朝鮮人が多数を占めるようになりました。特に沿海州に住んでいた彼らは、ソ連時代にスターリンによって中央アジアに強制移住させられることになります。これらの高麗人の中には、共産党に加入したり、ソ連軍に参加して、後に母国での政治や経済の再建に貢献する者もいました。

大戦の終結後、ソ連軍の進駐に伴って、これらの朝鮮系住民の一部は帰国し、北朝鮮の社会主義体制の構築に参加します。このような流れがソ連派の形成につながりました。

グループの編成

ソ連系朝鮮人の入北は、第1陣から第5陣までの計画的な移動によって構成されました。第1陣には約40名が含まれ、鄭律や崔鐘学、ミハイル姜少佐など、戦争に参加した軍人や民間人が名を連ねていました。彼らは1945年8月29日に平壌に入城し、ソ連型社会主義体制の構築に尽力しました。

次に、第2陣として1945年10月に53名が平壌に到着。朴永彬や金日といった教育者が多数含まれ、教育や人材育成に寄与しました。第3陣は1945年12月に到着し、政治や行政、特に党や政府の高位に登用される人物が多かったと言われています。

第4陣では、技術者や幹部が平壌に赴き、さらなる体制強化に参加しました。第5陣は1946年に到着し、主にロシア語教員で構成されていました。彼らは北朝鮮における文化活動や教育機関の運営において重要な役割を果たしました。

権力の変遷と粛清

多くのソ連系朝鮮人は北朝鮮の安全機関、刑事警察、諜報機関に従事し、その活動は北朝鮮の治安と公安に大きな影響を与えました。しかし、朝鮮戦争の失敗を受けて、金日成は権力を強化するためにソ連派の中心人物を粛清し始めます。

特に、許哥誼は1951年に失脚し、その後自殺を強いられたと伝えられています。その後、金日成に批判的だったソ連派は次々と排除され、約500人がソ連へ帰国することになりました。このようにして、ソ連派の影響力は著しく減少しましたが、支持を続けた南日や方学世などは、粛清の対象にはなりませんでした。

最後に

ソ連派は北朝鮮の歴史を語る上で、民族的背景とともに重要な役割を果たしました。彼らが構築した社会主義体制は、その後の北朝鮮の発展と密接に関連しており、現在の体制に至るまでの道のりを理解するためには欠かせない存在です。ソ連派の成り立ちやその後の権力変遷は、勢力図の変化を示す重要な要素でもあります。

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