ゾラン・ザエフ

ゾラン・ザエフ：北マケドニアの政治を牽引した首相

ゾラン・ザエフ（Zoran Zaev）は、1974年10月8日生まれ。北マケドニア（旧マケドニア共和国）の政治家であり、首相を2期務めました。中道左派の社会民主同盟（SDSM）の党首として、国内政治において重要な役割を果たしました。

生い立ちと学歴

ザエフは、旧ユーゴスラビア時代のストルミツァで生まれ育ちました。スコピエ大学で経済学を学び、1997年に卒業。その後、同大学で貨幣経済学の修士号を取得しました。

政界でのキャリア

1996年にSDSMに入党したザエフは、党のストルミツァ地域会長に2度選出され、2003年から2005年までマケドニア議会議員を務めました。2005年から2016年までストルミツァ市長を3期務め、その手腕を発揮しました。2013年には、ブランコ・ツルヴェンコフスキの後任としてSDSMの党首に選出されました。

2016年のマケドニア議会総選挙では、SDSMを躍進させました。第2党となり、第3党の民主統合連合（DUI）などと連立政権を樹立しました。

ギリシャとの国名問題解決とEU加盟への道

ザエフの最大の功績の一つは、長年膠着状態にあったギリシャとの国名問題の解決に向けた取り組みです。マケドニアは、国名をめぐるギリシャとの対立が原因で、EUやNATOへの加盟が拒否されていました。ザエフは、従来の強硬姿勢を転換し、ギリシャとの交渉の結果、国名を「北マケドニア」に変更することで合意しました。この合意により、2019年2月にマケドニアは正式に国名を変更し、EU加盟への道が開かれました。

しかし、2019年10月のEU首脳会議では、フランスによってEU加盟が一旦拒否されました。これに反発したザエフは、国民に信を問うため、2020年1月3日に首相辞任を表明し、総選挙を繰り上げることを決定しました（その後、COVID-19の感染拡大を受け、総選挙は7月15日に延期されました）。総選挙後、ステボ・ペンダロフスキ大統領から組閣を要請され、再び首相として手腕を発揮することになります。

首相辞任

2021年10月31日に執行された地方選挙での敗北を受け、ザエフはSDSM党首と首相の両方を辞任すると表明しました。しかし、政治情勢が安定するまで辞任を延期し、2021年12月22日に改めて首相を辞任することを表明。翌23日に議会も辞任を了承し、2022年1月17日に首相を退任しました。

まとめ

ゾラン・ザエフは、北マケドニアの政治において重要な役割を果たした政治家です。社会民主同盟の党首として、首相を2期務め、特にギリシャとの国名問題の解決に尽力し、EU加盟への道を開きました。彼のリーダーシップは、北マケドニアの未来に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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