ゾラン・プリモラッツ

ゾラン・プリモラッツ：卓球界のレジェンド

ゾラン・プリモラッツ（Zoran Primorac, 1969年5月10日 - ）は、クロアチアを代表する卓球選手であり、現在は国際卓球連盟（ITTF）のアスリート委員長を務めています。ザダル（当時はユーゴスラビア）出身で、マリオ・アミズィッチの指導の下、才能を開花させました。

輝かしいキャリア

プリモラッツは、ユーゴスラビア代表として出場した1987年世界選手権ニューデリー大会で、イリヤ・ルプレスクとの男子ダブルスで準優勝を果たし、その名を世界に知らしめました。翌1988年のソウルオリンピックでも、ルプレスクとのペアで決勝に進出し、銀メダルを獲得しました。1991年の世界選手権千葉大会では、男子団体で準優勝に貢献。ユーゴスラビア崩壊後はクロアチア代表として国際大会に出場し、1993年の世界選手権イェーテボリ大会では男子シングルスでベスト4に進出しました。

2007年のヨーロッパ卓球選手権ベオグラード大会では、男子団体で準優勝を経験。2012年のロンドンオリンピックでは、ヨルゲン・パーソン、ジャン＝ミッシェル・セイブと共に、1988年のソウルオリンピックから7大会連続出場という偉業を達成しました。

2016年の世界卓球選手権クアラルンプール大会では、韓国戦で朱世赫を破るなど、46歳という年齢を感じさせないプレーを見せました。2018年には、ITTFのアスリート委員長に就任し、選手の声を聞き、卓球界の発展に貢献しています。

プレースタイル

プリモラッツのプレースタイルは、基本技術を重視した安定感のある両ハンドプレーです。母国のスポーツライターに「まるで10種競技選手のよう」と評されたほどの強靭な肉体を持ち、ミスが少ないのが特徴です。サーブはバックサーブを多用し、その際に舌を出す癖があります。

主な戦績

オリンピック
1988年 ソウルオリンピック 男子ダブルス銀メダル（イリヤ・ルプレスクと）
2008年 北京オリンピック 男子シングルス ベスト8
世界卓球選手権
1987年 ニューデリー大会 男子ダブルス準優勝（イリヤ・ルプレスクと）、男子団体4位
1991年 千葉大会 男子団体準優勝
1993年 イェーテボリ大会 男子シングルス ベスト4
1995年 天津大会 男子ダブルス準優勝（ブラディミル・サムソノフと）
1999年 アイントホーフェン大会 男子シングルス ベスト8、男子ダブルス ベスト4（ブラディミル・サムソノフと）
男子ワールドカップ
1993年 広州大会 優勝
1994年 台北大会 3位
1997年 ニーム大会 優勝
1998年 汕頭大会 3位
1999年 Xiaolan大会 3位
2002年 済南大会 3位
ヨーロッパ卓球選手権
1986年 プラハ大会 男子ダブルス ベスト4（イリヤ・ルプレスクと）
1988年 パリ大会 男子ダブルス準優勝（イリヤ・ルプレスクと）
1990年 イェーテボリ大会 男子ダブルス優勝（イリヤ・ルプレスクと）
1992年 シュトゥットガルト大会 男子シングルス ベスト4、混合ダブルス ベスト4（チラ・バトルフィと）
1994年 バーミンガム大会 男子シングルス ベスト4、男子ダブルス準優勝（ジャン＝ミッシェル・セイブと）、混合ダブルス優勝（チラ・バトルフィと）
1998年 アイントホーフェン大会 男子シングルス準優勝
2000年 ブレーメン大会 男子シングルス準優勝
2002年 ザグレブ大会 男子シングルス ベスト4
2005年 オーフス大会 男子シングルス ベスト4
2007年 ベオグラード大会 男子団体準優勝
ヨーロッパユース卓球選手権
1984年 リンツ大会 ジュニアの部 男子ダブルス優勝
1985年 デン・ハーグ大会 ジュニアの部 男子ダブルス優勝
1986年 ルーバン・ラ・ヌーヴ大会 ジュニアの部 混合ダブルス準優勝
ヨーロッパトップ12
1992年 ウィーン大会 3位
1994年 アレッツォ大会 ベスト4
1997年 アイントホーフェン大会 ベスト4
2006年 コペンハーゲン大会 ベスト4
* 2007年 アレッツォ大会 ベスト4

無冠の帝王？

数々の国際大会で好成績を残しているプリモラッツですが、ビッグタイトルにはなかなか手が届かず、「無冠の帝王」と呼ばれることもあります。しかし、その実力と長年にわたる活躍は、卓球界において高く評価されています。

ミルコ・クロコップと同じトレーニングジムでトレーニングしていたことでも知られています。

プリモラッツは、選手としての実績だけでなく、ITTFアスリート委員長として、卓球界の発展に貢献しています。彼の今後の活躍にも期待が集まります。

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