タイガー&ドラゴン (曲)

タイガー&ドラゴン

「タイガー&ドラゴン」は、日本のバンド、クレイジーケンバンドが2002年12月4日にリリースした通算5枚目のシングル楽曲です。同日には6枚目のシングル「クリスマスなんて大嫌い!! なんちゃって♥」も同時に発売されました。レーベルはサブスタンスが担当しています。発表後、2005年4月27日には、同名のテレビドラマシリーズのオープニングテーマとして起用されたことに伴い、廉価版として再度市場に投入されています。

楽曲の背景と特徴

この楽曲は、もともとクレイジーケンバンドの横山剣氏が、日本のソウルシンガー、和田アキ子氏へのリスペクトを込めて「ぜひ歌ってほしい」という強い思いを抱いて作曲されました。シングルとして発表する際には、あたかも和田アキ子氏自身が歌唱しているかのような、彼女の歌声を彷彿とさせる独特の雰囲気でレコーディングが行われています。この楽曲発表を経て、後に和田アキ子氏本人が、横山剣氏のプロデュースのもとで本楽曲を正式にカバーするという出来事が実現しました（このカバーバージョンは2003年6月11日発売のシングル「ルンバでブンブン」にカップリング曲として収録されています）。

楽曲の大きな特徴の一つとして挙げられるのが、大サビ部分で繰り返される「俺の」という印象的なリフレインです。このフレーズの誕生については、レコーディング作業中の偶発的な出来事がきっかけであったと伝えられています。レコーディングエンジニアが特定のフレーズを確認する際に、何度も繰り返し聴いていた様子を横山剣氏が目にしていました。その繰り返しに閃きを得た横山氏が、エンジニアの作業をそのまま楽曲構成に取り入れ、「俺の」という言葉を繰り返して次のフレーズへと繋げる構成を提案したことから生まれた、レコーディング中の偶然が生んだ産物と言われています。

ミュージックビデオ

本楽曲のミュージックビデオおよびシングルジャケットのアートワークは、アートディレクターの信藤三雄氏が担当しました。その後、2005年には、ディレクターの野村賢一氏によって新たなバージョンのミュージックビデオも制作されています。

収録曲

シングルCDには以下の楽曲が収録されています。全曲の作詞・作曲は横山剣氏が手掛けています。編曲については、「アメ車と夜と本牧と[Mo'Mansfield Roc Mix]」のみ池田正典氏、その他の楽曲は横山剣氏と小野瀬雅生氏が共同で担当しました。

1. タイガー&ドラゴン (4:09)
2. ヨコスカン・ショック (5:15)
3. ファイアー・クラッカー (5:01)
4. eye catch(虎) (0:03)
5. アメ車と夜と本牧と[Mo'Mansfield Roc Mix] (4:48)
6. eye catch(龍) (0:04)
7. タイガー&ドラゴン[Karaoke] (4:09) - オリジナルバージョンのカラオケ
8. ヨコスカン・ショック[Karaoke] (5:15) - オリジナルバージョンのカラオケ
9. ファイアー・クラッカー[Karaoke] (5:00) - オリジナルバージョンのカラオケ

アルバム収録

「タイガー&ドラゴン」は、シングルリリース後、複数のアルバムにも収録されています。特にオリジナルアルバム『Soul Punch』（2005年7月6日発売）には、シングルバージョンではフェイドアウト処理されていた後奏を含む「完全版」が収められました。その他、以下のベストアルバムにも収録されています。

『CKBB - OLDIES BUT GOODIES』（2004年3月3日発売）
『iTunes Originals - クレイジーケンバンド』（2006年1月11日配信） - この配信限定アルバムにはライブバージョンが収録されました。
『クレイジーケンバンド・ベスト 鶴』（2010年2月24日発売）
『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST 愛の世界』（2017年8月2日発売）

主なカバー

本楽曲はその人気から、クレイジーケンバンド以外の多くのアーティストによってカバーされています。代表的な例を以下に挙げます。

大西ユカリと新世界 (ミニアルバム『五曲入』、2003年)
和田アキ子 (シングル「ルンバでブンブン」カップリング、2003年)
前述の通り、横山剣氏がプロデュースを担当しました。
RIKI (シングル「魁!ミッドナイト」カップリング、2007年)
このカバーでは、楽曲の舞台を大阪に移し、歌詞が大阪弁に改変されているのが特徴です。
甲斐よしひろ (アルバム『TEN STORIES 2』、2008年)
桑田佳祐 (ライブビデオ『昭和八十三年度!ひとり紅白歌合戦』、2009年)
山内惠介 (アルバム『ライブカバーアルバム「惠音楽会」ポップス・歌謡編』、2016年)
天童よしみ (カバーアルバム『VOICE（ヴォイス）』、2018年)

メディアでのタイアップ

「タイガー&ドラゴン」は、多くのテレビ番組やラジオ番組でテーマソング等として使用されました。特に同名テレビドラマのオープニングテーマとして広く知られています。

TBS系列「COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV」2002年12月度エンディングテーマ
TBS系列テレビドラマ「タイガー&ドラゴン」オープニングテーマ
テレビ東京系「くだまき八兵衛X」オープニングテーマ
ニッポン放送「松本ひでおのショウアップナイターネクスト」2006年度テーマソング
福島放送「でんきくらげとしびれふぐ」2003年オープニングテーマ
* 日本テレビ系列「ZIP!」内「俺の傘予報」コーナーテーマ

楽曲世界と関連する要素

楽曲の歌詞には、その舞台となっている神奈川県横須賀市に関する具体的な地名や要素が数多く織り込まれています。「横須賀」という都市名をはじめ、「トンネル」「三笠公園」といった名所、そして「スカジャン」といった横須賀を象徴するアイテムが登場し、楽曲の世界観を形作っています。また、歌詞の一部には、和田アキ子氏が1974年に発表した代表曲「古い日記」からの引用が見られます。「あの頃は」「ハッ！」といったフレーズが取り入れられており、横山剣氏の和田アキ子氏へのリスペクトが込められています。

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