タイソン県

タイソン県：歴史と文化が息づく地

タイソン県は、ベトナム南中部ビンディン省に位置する行政区です。省都クイニョンの西北約40kmに位置し、コーン川中流域に開けています。西はザライ省と接しており、地理的にも重要な場所にあります。

歴史

かつてこの地はチャンパ王国の領域であり、その名残としてズオンロン塔などの遺跡が残されています。18世紀には、この地出身の阮岳（グエン・ニャック）、阮侶（グエン・ルー）、阮恵（グエン・フエ）の西山三兄弟が蜂起し、西山朝を樹立しました。西山朝は、阮文雪（グエン・ヴァン・トゥエット）、裴氏春（ブイ・ティ・スアン）、武廷秀（ブー・ディン・トゥー）、李文宝（リー・ヴァン・バオ）、裴氏雁（ブイ・ティ・ニャン）ら多くの重臣を輩出しました。

西山朝滅亡後、阮朝はこの地が反乱の地であることを警戒し、一時的に「綵遠（トゥイヴィエン）」、後に「平渓（ビンケー）」と改名させました。しかし、1975年にベトナムが統一されると、「タイソン」の名を取り戻し、現在に至っています。

史跡

タイソン県には、歴史的な史跡が数多く残されています。

クアン・チュン博物館（Bảo tàng Quang Trung）: 西山朝の皇帝、阮恵（光中帝）の名を冠した博物館です。西山朝に関する貴重な資料が展示されています。
ズオンロン塔: 12世紀にチャンパ王国によって建造されたとされています。現在修復中ですが、その美しい姿は見る人を魅了します。フランス人によって「象牙の塔（Tour d'Ivoire）」とも呼ばれていましたが、「Dương Long」に「象牙」という意味はありません。

交通

タイソン県は交通の要所でもあり、以下の主要な交通機関が利用できます。

フーカット空港: 県の中心部から約20km（省道636号線）の場所に位置しています。
クイニョン市街: 県の中心部から約40km（国道19号線）の距離にあります。
南北線ビンディン駅: 県の中心部から約15km（省道636B号線）の場所にあります。
バスターミナル: プレイクとクイニョンの中継地点として機能しており、県中心部の東約500mの場所に位置しています。

コーン川には行政が管理する橋のほか、住民が自主管理する有料の竹橋も存在しています。

行政区分

タイソン県は、以下の行政単位に区分されています。

市鎮
社

関連人物

* グエン・シン・サック: 平渓県時代に知県を務めた人物です。

タイソン県は、その豊かな歴史と文化、そして交通の便の良さから、観光やビジネスの拠点としても注目されています。歴史的な史跡を巡り、この地の文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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