タイ・ユア・マザー・ダウン

「タイ・ユア・マザー・ダウン」（Tie Your Mother Down）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1976年に発表した楽曲です。ブライアン・メイによって作詞作曲され、アルバム『華麗なるレース』の1曲目を飾っています。また、同アルバムから2枚目のシングルカットとしてもリリースされました。

この曲は、1977年3月にシングルとしてリリースされた際、イギリスのチャートで最高31位を記録しました。その後、1998年にリリースされたシングル「ノー・ワン・バット・ユー」のB面として収録された際には、最高位13位を記録しています。

アルバムバージョンでは、約1分間の無限音階によるイントロが特徴的です。このイントロ部分は、アルバムの最後の曲である「手をとりあって」のエンディングにも登場し、アルバム全体としての構成を際立たせています。

歴史

この曲のリフの原型は、1975年1月にブライアン・メイによって作られました。当時、彼は天体物理学の博士論文を執筆するため、テネ[[リフェ島]]に滞在していました。ある朝目覚めた際、スパニッシュ・ギターで演奏していたリフに合わせて、冗談のつもりで「タイ・ユア・マザー・ダウン」と歌ってみたそうです。この歌詞をフレディ・マーキュリーが気に入り、そのまま採用されることになりました。

1976年9月4日のコンサート前にはリハーサルが行われましたが、その際の録音は残っていません。この曲は長年にわたりツアーで演奏され、アメリカのFMラジオでも頻繁にオンエアされていましたが、チャートアクションはイギリスで31位、アメリカで49位と、さほど大きな成功を収めたとは言えませんでした。そのため、「グレイテスト・ヒッツ」にはオーストラリア盤など一部地域でのみ収録されるに留まりました。しかし、1997年にリリースされたアルバム『クイーン・ロックス』には収録され、クイーンのヘヴィな楽曲の一つとして認識されるようになりました。

2006年のオランダのファンクラブ・コンベンションでは、ブライアン・メイがガイドボーカルを務めたデモバージョンが披露され、ファンを驚かせました。

プロモーションビデオ

この曲のプロモーションビデオは、1977年のアメリカツアー、ロングアイランドのナッソー・コロシアムでのパフォーマンスを撮影したものが使用されています。監督はブルース・ゴワーズが務めました。

メンバーによるコメント

フレディ・マーキュリーは「ブライアンが書いた曲だけど、彼は少し不機嫌で、'デス・オン・トゥー・レッグス'よりもすごい曲を作りたいと思っていたんじゃないかな」とコメントしています。

ブライアン・メイは「タイトルはふと浮かんだもので、どんな意味があるかなんて僕にもわからない」と語っています。

シングル収録曲

イギリス盤には、「タイ・ユア・マザー・ダウン」と「ユー・アンド・アイ」が収録されています。一方、アメリカ盤と日本盤には、「タイ・ユア・マザー・ダウン」と「さまよい」が収録されています。

チャート

この曲は、イギリスのチャートで最高31位、アメリカのチャートで最高49位を記録しています。

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