タイ王国国家情報局

タイ王国国家情報局（National Intelligence Agency, NIA）は、タイの内閣首相府に所属する情報機関であり、首相直属の局レベル機関として活動しています。タイ語では「สำนักข่าวกรองแห่งชาติ」（略称: สขช.）と表記され、国家の安全保障に関わる重要な役割を担っています。1954年に設立された当初は「国家情報収集局」という名称でしたが、その後、組織改編を経て現在の名称に至っています。

概要

国家情報局は、タイ国内の情報活動を監視する責任を負っています。主な業務は、国家の発展と国民の保護のために、国際情勢や国内の情報を監視し、必要な情報を収集することです。これにより、タイ政府は適切な政策決定を行い、国家の安全と安定を維持するための対策を講じることができます。

歴史

1950年代、世界各国が情報機関の組織化を本格的に進める中で、タイでも政府による情報収集の必要性が高まりました。第二次プレーク・ピブーンソンクラーム内閣は、一般情報と秘密情報を監視・管理する政府情報機関の必要性を認識し、1954年1月1日に国家情報収集局（กรมประมวลราชการแผ่นดิน）を設立しました。当初は首相府政治部門の監督下に置かれ、初代局長には国家警察局長のパオ･シーヤーノン警察大将が就任しました。その後、1959年12月2日にはサリット・タナラット内閣により、情報検閲収集局（กรมประมวลข่าวกลาง）に改称されました。さらに、1985年8月30日にはプレーム・ティンスーラーノン内閣によって現在の国家情報局（สำนักข่าวกรองแห่งชาติ）に改称され、首相直属の国家機関に昇格しました。

所在地

国家情報局の本部は、バンコクのドゥシット区チットラダー地区、ラーチャダムヌーンノーク通り321番地に位置しています。

内部部局

国家情報局は、以下の内部組織で構成されています。

理事会（สำนักอำนวยการ）
第1局（สำนัก 1）：中部中央、東部の治安情報監視
第2局（สำนัก 2）：北部の治安情報監視
第3局（สำนัก 3）：東北部の治安情報監視
第4局（สำนัก 4）：中部（中部中央以外）、西部、南部（ソンクラー県、パッタニー県、ヤラー県、ナラーティワート県、サトゥーン県を除く）の治安情報監視
第5局（สำนัก 5）：ソンクラー県、パッタニー県、ヤラー県、ナラーティワート県、サトゥーン県の治安情報監視
第6局（สำนัก 6）：国際犯罪、テロリストグループ関連
第7局（สำนัก 7）：グローバル問題、国際機関、地域協力機関、民間国際開発機関、外国国際開発機関、列強諸国関連
第8局（สำนัก 8）：東南アジア、アジア太平洋、中央アジア、南アジア、ヨーロッパ大陸諸国、中東、アフリカ関連
第9局（สำนัก 9）：国家間問題
第10局（สำนัก 10）：防災、個人情報保護
第11局（สำนัก 11）：検閲、技術検閲
第1部（กอง 1）：特別協力、報道、情報提供、地域内国際空港関連
第2部（กอง 2）：捜査尋問、検閲関連
情報検閲院（สถาบันข่าวกรอง）
情報通信技術センター（ศูนย์เทคโนโลยีสารสนเทศและการสื่อสาร）
行政システム開発室（กลุ่มพัฒนาระบบบริหาร）
内部監査室（กลุ่มตรวจสอบภายใน）
情報検閲戦略室（กลุ่มยุทธศาสตร์ข่าวกรอง）
法務室（กลุ่มนิติการ）

これらの組織を通じて、国家情報局は多岐にわたる情報収集と分析を行い、タイの安全保障と安定に貢献しています。

関連項目

首相府 (タイ)

外部リンク

タイ王国国家情報局

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