タジュラ

タジュラ（Tadjoura）は、ジブチ共和国に位置する都市であり、タジュラ州の州都として機能しています。2024年現在の人口は約18,808人と報告されており、ジブチ国内では3番目に大きな都市です。タジュラはタジュラ湾の北岸に位置しており、湾の南岸に位置するジブチ市の対岸にあります。両都市間はフェリーで結ばれており、交通の便が図られています。

タジュラは古くから重要な港町として知られており、その歴史は深く、アダル・スルタン国の統治下にあった時代もあります。19世紀後半になると、フランスがこの地域に進出し、タジュラはフランス領ソマリランドの一部となりました。この時代、タジュラはフランスの勢力下で、地域における交易拠点としての役割を担いました。

また、タジュラは文化的な側面でも特筆すべき点があります。1886年には、著名なフランスの詩人であるアルチュール・ランボーがこの地を訪れました。ランボーはタジュラから隊商を仕立て、エチオピアのショア地方へと向かいました。彼の目的は、当時のエチオピア帝国を統治していたメネリク2世に対して武器を売り込むことでした。この出来事は、タジュラが当時から国際的な交易に関わる重要な地点であったことを示しています。

その後、タジュラを含むフランス領ソマリランドは、1977年にジブチとして独立を果たし、タジュラはジブチ共和国の領土となりました。独立後も、タジュラはジブチの重要な都市の一つとして、その役割を果たし続けています。タジュラは、その地理的な位置、歴史的な背景、そして文化的な要素が複合的に絡み合い、独特の魅力を放つ都市と言えるでしょう。

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