タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド

タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド：ニューオーダーの80年代を彩る一曲

1987年、ニューオーダーは彼らのキャリアにおいて重要な位置を占めるシングル「タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド」を発表しました。この曲は、バンドにとって「コンフュージョン」「シーヴス・ライク・アス」以来となる、プロデューサーであるアーサー・ベイカーとの再タッグ作品として注目を集めました。

この楽曲は、映画『サルベーション!』のサウンドトラックにも収録されており、7インチと12インチの異なるバージョンが採用されています。サウンドトラック盤に収録されたバージョンは、シングル版とは微妙に異なるアレンジが施されている点が興味深いところです。ファクトリー・レコードからリリースされたこのシングルは、カタログ番号FAC 193として記録され、全英シングルチャートにおいて最高位20位という好成績を収めました。

音楽性だけでなく、プロモーションビデオも話題となりました。ビデオでは、メンバー全員がLAメタルスタイルの衣装を身にまとって登場するという、バンドのイメージとは異なる斬新な演出が話題を呼びました。監督を務めたのは、後に映画『K-19』で知られるキャスリン・ビグローです。このビデオは、楽曲の世界観をさらに拡張する役割を果たし、リスナーに強い印象を与えました。

日本においては、当時ファクトリー・レコードの販売を担っていた日本コロムビアより、1988年1月21日に7cmと12cmの2種類のCDシングルがリリースされました。シングルには、表題曲「タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド」に加え、カップリング曲として「タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ダブ」が収録されています。「タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ダブ」は、表題曲のリミックスバージョン、いわゆるダブバージョンであり、オリジナルとは異なる独特の雰囲気を醸し出しています。各バージョンの収録時間は以下の通りです。

7cmCDシングル

タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド: 3:47
タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ダブ: 5:30

12cmCDシングル

タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド: 7:02
タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ダブ: 5:30

興味深いことに、この楽曲のタイトルは、後にハウス・リミキサーとして名高いトッド・テリー率いるザ・トッド・テリー・プロジェクトの楽曲「ウィークエンド」のリミックスバージョン、「Retouched By The Hand Of Todd」にも影響を与えています。このことは、「タッチト・ザ・ハンド・オブ・ゴッド」が、音楽シーンにおいて広く認知され、多様なアーティストにインスピレーションを与えたことを示唆しています。

「タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド」は、ニューオーダーの音楽的実験性と商業的な成功を両立させた代表的な作品と言えるでしょう。楽曲自体のクオリティ、話題を呼んだミュージックビデオ、そしてその後の音楽シーンへの影響まで考慮すると、この曲は単なるヒット曲を超えた、80年代音楽史における重要な一曲として位置付けることができます。

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