タニエラ・トゥポウ

タニエラ・トゥポウ（Taniela Tupou、1996年5月10日 - ）は、ラグビーユニオン界で世界屈指のプロップとして知られる選手です。南太平洋のトンガで生まれ、オーストラリアでその才能を開花させ、現在はスーパーラグビー・パシフィックのニューサウスウェールズ・ワラターズに所属しています。彼の破壊的な突進力と強靭なフィジカルから、「トンガン・ソー（Tongan Thor）」というニックネームで親しまれています。

プロフィールを見ると、彼はプロップ（PR）というポジションでプレーしています。身長は181センチメートル、体重は132キログラムと、プロップの中でも特に大柄でパワフルな体格を誇ります。トンガ出身ながら、居住要件を満たしたことでオーストラリア代表としての資格を得て、国際舞台で「ワラビーズ」として活躍しています。オーストラリア代表として、ラグビーワールドカップには2019年日本大会、2023年フランス大会と連続して出場し、チームの中心選手の一人として存在感を示しました。また、伝統ある招待チーム、バーバリアンズのメンバーとしてもプレーした経験があります。

彼のキャリアは、2015年にクイーンズランド州のブラザーズ・オールドボーイズ・クラブで本格的に始まりました。当時25歳だった兄、クリフ・トゥポウとともにトライアルマッチに出場し、これが彼にとって初めての公式戦出場となりました。同年、彼は同クラブでのクイーンズランド・プレミア・ラグビーのシーズンを終えた後、オーストラリア国内の育成リーグであるナショナル・ラグビー・チャンピオンシップ（NRC）に参加するクイーンズランド・カントリーに入団。ここでのプレーを通じて、さらにそのスキルを磨いていきました。

2016年には、クイーンズランド州のU20代表チームでもプレーし、同年にオーストラリアのトップリーグであるスーパーラグビーに所属するクイーンズランド・レッズと契約。プロ選手としてのキャリアを確立しました。また、この時期にはオーストラリア代表の育成プログラムに組み込まれ、将来のワラビーズを担う存在として期待されるようになります。

クイーンズランド・カントリーでのNRCにおけるパフォーマンスが特に高く評価され、それが代表入りの決め手の一つとなりました。そして2017年11月24日、スコットランドのエディンバラにあるマレーフィールドスタジアムで行われたスコットランド代表とのテストマッチにおいて、ついにオーストラリア代表「ワラビーズ」として記念すべきテストマッチデビューを果たしました。この一戦を皮切りに、彼はワラビーズのフロントローにおける不動の存在へと成長していきます。

クイーンズランド・レッズで長らく活躍した後、2024年シーズンにはメルボルン・レベルズへ移籍しました。しかし、このクラブは財政難に直面し、2024年シーズン限りでの活動休止が決定。これにより、タニエラ・トゥポウは新たな所属先を探すこととなりました。

そして2024年8月2日、彼はシドニーを本拠地とするスーパーラグビーの強豪チーム、ニューサウスウェールズ・ワラターズへの加入を発表しました。2025年シーズンからは、ワラターズの一員として、スーパーラグビー・パシフィックの舞台で引き続きその圧倒的なパワーと経験を発揮することが期待されています。彼の今後の活躍から目が離せません。

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