タブアエラン島

タブアエラン島（ファニング島）について

タブアエラン島（Tabuaeran）、またはファニング島（Fanning Island）は、中部太平洋に位置するライン諸島に属する島の一つで、キリバス共和国の領土です。地理的な位置は北緯3度51分36秒、西経159度21分52秒にあり、標高は約3メートルです。島は「タバアラン島」とも呼ばれています。

歴史

ハワイ諸島から約900マイルの距離にあるタブアエラン島は、初期のポリネシア人がハワイへ移住する際の中継地であったと考えられています。島からは、クック諸島やトンガから来たと思われる人々の遺物も発見されており、古代からの人々の往来があったことを示唆しています。

発見と命名

タブアエラン島は、1798年6月11日にアメリカの商船ベッツィー号を率いるエドモンド・ファニング船長によって発見されました。この発見にちなんで、島は「ファニング島」と名付けられました。発見当時、島は無人島でした。

ココヤシ油の生産拠点として

ファニング船長による発見後、島には多くの国の捕鯨船が立ち寄るようになりました。1855年からは、マニヒキ環礁からやってきたヘンリー・イングリッシュとその労働者150人によって、輸出用のココヤシ油の生産が開始されました。

イギリスの保護領、そして領土へ

1855年10月16日、イギリス海軍のコルベット艦「ダイドー」がW.H.モーズヘッドの指揮下で島を訪れ、タブアエラン島はイギリスの保護下に置かれることになりました。その後、1888年3月15日には、イギリス海軍のスループ艦「キャロライン」のウィリアム・ワイズマン艦長によって、正式にイギリス領となりました。環礁の東側には、「イングリッシュ・チャネル」と呼ばれる深い水路が建設されました。

太平洋横断ケーブルの中継地

タブアエラン島は、カナダとオーストラリアを結ぶ太平洋横断ケーブルの中継地として重要な役割を担いました。しかし、第一次世界大戦中の1914年9月には、ドイツ帝国海軍の防護巡洋艦「ニュルンベルク」による艦砲射撃を受けました。

キリバス共和国へ

1939年、タブアエラン島はイギリスの植民地であるギルバート諸島・エリス諸島の一部となり、1979年には独立したキリバス共和国の一部となりました。

現在、タブアエラン島は静かな島ですが、その歴史は太平洋の島々の交流や、列強による領有の歴史を物語る重要な場所となっています。

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