スループ

スループの概要と歴史

スループは、単一のマストに特有の帆装を持つ帆船で、主に帆走に用いられます。オランダ語では「sloep」、英語では「sloop」と呼ばれます。この船の特徴的な帆装には、ジブとメインスルが含まれています。スループは、帆船の時代の終わりに、コルゲート艦よりも小型の砲艦として発展しました。また、スループは連絡用の小型艦艇、いわゆる通報艦としても機能していました。

帆走スループ

帆走スループは、マスト1本にガフ1枚とジブ1枚の帆装を持つ、非常に特有な形状の船です。スループとカッターは、マストの数や帆の種類において共通する部分がありますが、主に「マストの位置」と「フォアステイの張り方」で違いが生じます。スループの特徴的な部分は、マストがカッターよりも船首寄りに位置しているため、ジブのサイズは小さく、通常1枚だけ装備しています。ただし、フレンドシップ・スループのような形式では、複数の船首帆を装備することもありますが、最も重要なのはやはりマストの位置です。

スループとカッターの違いについて特に注目すべきは、フォアステイの張り方です。スループでは、バウスプリットの突端からマストまで、ステイが張られています。これによって、バウスプリットは動かせなくなり、常に設置されている必要があります。一方、カッターでは、ステイが船首の端に直接張られているため、バウスプリットを取り外すことができ、港内の混雑時や風の強い時にジブを収納する際に便利です。

バミューダスループ

バミューダスループとは、17世紀初頭にバミューダで開発された特有の帆装を持つスループです。一般的には1本のマストを持つことが定義ですが、実際には3本のマストを持つバミューダスループも多く存在し、これはバミューダ帆装のスクーナーとも同義です。

戦闘用のスループ

スループには戦闘用の種類もあり、スループ・オブ・ウォー（Sloop-of-war）として知られています。これは18世紀から20世紀にかけて存在した軍艦の一種で、フリゲートとコルベットの中間的な存在でした。1つの砲甲板に10から20の大砲を搭載した小型艦で、砲門の数によって定義されます。マストの本数や帆の種類については特に規定はありませんが、例えばマストが2本のものを「ブリッグ・スループ」、3本のものを「シップ・スループ」と分類します。これらは厳密な帆装の違いではなく、主に軍艦としての機能に関するものです。

スループは、主に船団護衛艦や沿岸警備任務に使用されました。帆走から機走に移行する過程で、砲艦や海防艦の形で再評価されることがありました。第一次世界大戦中には、航洋型の船団護衛艦として再びスループの名が使われるようになり、第二次世界大戦においても船団護衛艦、掃海艦艇、哨戒艦艇として用いられました。最後のスループとして知られるのは、ブラックスワン級スループであり、以降スループの名を持つ艦は建造されていません。

以上がスループの全体像です。この艦艇は、様々な用途とスタイルで長い歴史を持ち続けてきました。

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