タマティ・エリソン

タマティ・エリソン（Tamati Ellison）氏は、1983年4月1日にニュージーランドのウェリントンで生まれた、元プロラグビー選手であり、現在は指導者として活躍しています。現役時代は主にセンター（CTB）として、その強力な突破力と堅固なディフェンスでチームに貢献しました。身長183cm、体重97kgという恵まれた体格を持ち、フィールド上での存在感は際立っていました。親しい仲間やファンからは「Tam」のニックネームで呼ばれていました。

彼のラグビーキャリアは、地元ウェリントンのマナ高校を経て、ヴィクトリア大学へと進学したことから始まりました。大学でラグビーの技術と知識をさらに磨き、卒業後は南半球最高峰のプロリーグであるスーパーラグビーに参戦。ブルーズやハリケーンズといったニュージーランドを代表するチームでプレーし、世界トップレベルの選手たちと鎬を削りながら経験を重ねました。これらのチームでのプレーは、彼の国際的な評価を高める上で重要なステップとなりました。

エリソン氏は、世界のラグビー界でも特別な存在であるニュージーランド代表、通称「オールブラックス」にも選出された経験を持っています。競争の非常に激しいセンターのポジションで、オールブラックスの一員としてプレーできたことは、彼の選手としての実力が本物であることを証明しています。国際試合での経験は、彼のプレースタイルに深みを与え、リーダーシップを養う機会ともなりました。

2010年、エリソン氏は新たな挑戦の舞台として日本のラグビー界を選び、当時のジャパンラグビートップリーグに所属するリコーブラックラムズに加入しました。同年9月4日に行われたトップリーグ開幕戦、近鉄ライナーズ戦で先発メンバーとして出場し、これが彼にとって記念すべき日本公式戦デビューとなりました。日本のラグビー環境への適応は順調で、チームの主要選手として活躍。一度リコーを離れてスーパーラグビーのハイランダーズでプレーした後、2013年には再びリコーブラックラムズへの復帰を果たしました。これは、彼がいかに日本のチームやファンから信頼され、必要とされていたかを示しています。リコーでの二度目の在籍期間中も、彼は変わらぬパフォーマンスでチームを牽引しました。

リコーブラックラムズを退団後、2018年にはトップチャレンジリーグに所属していた栗田工業ウォーターガッシュに移籍。選手キャリアの最終章を日本の地で過ごし、若手選手の模範となりながらプレーを続けました。そして2020年、長年にわたる現役生活に区切りをつけ、栗田工業を退団するとともに選手としてのキャリアを終えました。

現役引退後は、ラグビーへの情熱を指導者という形で注ぎ始めました。選手として培った豊富な経験と戦術眼を活かし、指導者としての道を歩み始め、2023年には故郷のウェリントンに戻り、ナショナル・プロヴィンシャル・チャンピオンシップ（NPC）に参戦するウェリントン・ライオンズのヘッドコーチに就任しました。かつて自身がプレーした地で、今度はチームを勝利に導くべく、選手たちの育成や戦術指導に日々力を注いでいます。

エリソン家はラグビーとの縁が深く、彼の弟であるレオン・エリソン氏もプロラグビー選手として活躍しました。兄弟揃ってニュージーランドラグビー界に貢献している点も、彼の紹介において触れるべき特徴と言えるでしょう。

選手として世界を舞台に活躍し、日本でも多くのファンに愛されたタマティ・エリソン氏。現在は指導者として故郷のチームを率いており、今後の彼の指導者としての手腕と、チームの発展に大いに注目が集まっています。

関連事項

ヴィクトリア大学ウェリントン
ブルーズ
ハリケーンズ
ハイランダーズ
リコーブラックラムズ東京
クリタウォーターガッシュ昭島

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