タミラ・パシェク

タミラ・パシェク（Tamira Paszek, 1990年12月6日 - ）は、オーストリアのドルンビルン出身の女子プロテニス選手です。彼女は2011年のウィンブルドン選手権でベスト8に進出したことで知られており、その実績は彼女のキャリアにおけるハイライトの一つと言えるでしょう。自己最高ランキングはシングルスで26位、ダブルスで93位を記録しています。WTAツアーではシングルスで3度の優勝を果たしており、その実力は広く認められています。身長165cm、体重60kgで、右利き、バックハンドは両手打ちです。

生い立ちとジュニア時代

パシェクは5歳でテニスを始めました。父親はタンザニア出身、母親はチリ出身という国際的なバックグラウンドを持っています。ジュニア時代には、2005年のウィンブルドンジュニア女子シングルスで決勝に進出し、アグニエシュカ・ラドワンスカ（ポーランド）に敗れて準優勝となっています。2006年の全米オープンジュニア女子シングルスでも決勝に進出しましたが、アナスタシア・パブリュチェンコワ（ロシア）に敗れ、ここでも準優勝に終わりました。彼女は14歳という若さでプロに転向し、その才能を早くから開花させました。

プロキャリア初期

2006年9月、スロベニア・オープンの予選を勝ち上がり、決勝でマリア・エレナ・カメリン（イタリア）を破り、15歳でWTAツアー初優勝を飾りました。この勝利は彼女のプロキャリアにおける大きな一歩となりました。2007年の全豪オープンでは、予選を突破してグランドスラム初出場を果たし、2回戦でベラ・ズボナレワ（ロシア）に敗れました。全仏オープンでも2回戦でジュスティーヌ・エナン（ベルギー）に敗退しましたが、ウィンブルドンでは3回戦でエレーナ・デメンチェワ（ロシア）を破り、4回戦まで進出しました。全米オープンでも3回戦でパティ・シュナイダー（スイス）を破り、4回戦に進んでいます。この年はグランドスラムで着実にステップアップを重ねました。

2008年以降の活躍

2008年はグランドスラムでの大きな躍進はなかったものの、ロジャーズ・カップ3回戦で当時世界ランキング1位のアナ・イバノビッチ（セルビア）を破るという快挙を成し遂げました。また、コモンウェルス・バンク・テニス・クラシックでは決勝に進出しましたが、パティ・シュナイダーに敗れています。2010年9月のケベック・シティ大会では、予選から勝ち上がり決勝でベサニー・マテック＝サンズ（アメリカ）を破り、ツアー2勝目を挙げました。

ウィンブルドンでの躍進

2011年のウィンブルドン選手権では、1回戦で森田あゆみ（日本）に逆転勝ちすると、3回戦ではフランチェスカ・スキアボーネ（イタリア）との激戦を制し、4回戦ではクセーニャ・ペルバク（ロシア）を破り、自身初のグランドスラムベスト8進出を果たしました。準々決勝ではビクトリア・アザレンカ（ベラルーシ）に敗れましたが、この大会での活躍は多くのテニスファンに感動を与えました。2012年6月のエイゴン国際では決勝でアンゲリク・ケルバー（ドイツ）を破り、ツアー3勝目を挙げました。続くウィンブルドンでも1回戦でキャロライン・ウォズニアッキ（デンマーク）を破り、2年連続でベスト8に進出しましたが、準々決勝で再びアザレンカに敗れています。また、同年のロンドンオリンピックにも出場しましたが、1回戦でアリーゼ・コルネ（フランス）に敗れました。

プレースタイルと特徴

パシェクは、コート全体を動き回り、粘り強いプレーが特徴です。特に、両手打ちのバックハンドは強力で、相手を押し込むことができます。また、チャンスがあれば積極的にネットに詰めるプレーも持ち合わせています。彼女の試合は、常にエキサイティングであり、観客を魅了します。

WTAツアー決勝進出結果

シングルス：4回 (3勝1敗)

4大大会シングルス成績

（略語の説明は省略）

外部リンク

タミラ・パシェク - WTAツアーのプロフィール （英語）
タミラ・パシェク - ビリー・ジーン・キング・カップのプロフィール （英語）
タミラ・パシェク - 国際テニス連盟
タミラ・パシェク (@tamira1990) - X（旧Twitter）
* ウィキメディア・コモンズには、タミラ・パシェクに関するカテゴリがあります。

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