タンザニア・シリング

タンザニア・シリング（Tanzanian shilling）は、タンザニア連合共和国で用いられている通貨です。スワヒリ語では「Shilingi ya Tanzania」、英語では「Tanzanian shilling」と表記されます。通貨記号はTZSで表されます。1966年に、それまで使用されていた東アフリカ・シリングに代わって導入されました。

通貨の基本情報

1タンザニア・シリングは、2023年1月時点で約0.057円の価値があります。補助単位としてセント（1タンザニア・シリング＝100セント）がありますが、現在ではほとんど使用されていません。

通貨表記

タンザニアでは、通貨は「x/y（xシリングyセント）」の形式で表記されます。セントが0の場合は、ハイフン（-）またはイコール（=）で表します。例えば、以下のように表記されます。

20シリング50セント: 20/50
50セント: -/50 または =/50
100シリング: 100/- または 100/=

硬貨

現在発行されている硬貨は、5、10、20、50、100、200シリング硬貨です。物価の上昇に伴い、5、10、20シリング硬貨は使用される機会が減っています。

現行の硬貨

銀色（ニッケルクラッド鋼）
5シリング: 十角形、農畜産物のデザイン
10シリング: 円形、国章のデザイン
20シリング: 七角形、アフリカゾウのデザイン
金色（黄銅）
50シリング: 七角形、クロサイのデザイン
100シリング: 円形、インパラのデザイン
200シリング: 円形、ライオンのデザイン

過去の硬貨

1964年の独立当初は、信託統治時代の東アフリカ・シリングの硬貨を模した10セント硬貨と5セント硬貨が製造されました。その後、独自のデザインの硬貨が発行されましたが、インフレの影響で補助単位であるセント硬貨と1シリング硬貨は現在では発行されていません。

5セント: 十二角形、バショウカジキのデザイン
10セント: 十個の波形から成る形、シマウマのデザイン
20セント: 円形、ダチョウのデザイン
50セント: 円形、ウサギのデザイン
1シリング: 円形、たいまつのデザイン

紙幣

現在流通している紙幣は、2003年2月に発行された500、1000、2000、5000、10000シリング紙幣です。各紙幣には、以下の動物や人物が描かれています。

500シリング: アフリカスイギュウ
1000シリング: ジュリウス・ニエレレ（初代大統領）
2000シリング: ライオンとキリマンジャロ山
5000シリング: クロサイ
10000シリング: アフリカゾウ

これらの紙幣には、過去のデザインから引き継がれたキリンをかたどった透かし、マイクロ文字、深凹版印刷、安全線、合わせ模様などの偽造防止技術が用いられています。

竹島記念コイン騒動

2019年9月、韓国の放送局KBSが、タンザニア中央銀行が竹島をモチーフにした3000シリング記念コインを制作したと報道しました。しかし、日本の菅義偉官房長官（当時）は、在タンザニア日本大使館を通じてタンザニア政府に事実関係を確認した結果、そのような記念コインを発行した事実はないと否定しました。タンザニア中央銀行も、このコインが中央銀行によって発行されたものではないと公式に反論しました。

為替レート

タンザニア・シリングの為替レートは日々変動します。最新のレートについては、金融機関や為替レート情報サイトをご確認ください。

関連項目

シリング

外部リンク

* タンザニア銀行ウェブサイト 通貨のページ（英語）

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