タンソンニャット国際空港

タンソンニャット国際空港

タンソンニャット国際空港（Tan Son Nhat International Airport）は、ベトナム社会主義共和国のホーチミン市にある国際空港です。市内中心部から北西へ約8kmの場所に位置しており、アクセスが非常に便利です。空港コードはSGNで、これはホーチミン市の旧称であるサイゴンに由来しています。

歴史

この空港は、1930年代初頭にフランス植民地政府によって、タンソンニャット村に飛行場として建設されました。その後、第二次世界大戦中には日本軍の航空基地として使用されました。1950年代には、アメリカの援助により南ベトナムの主要な国際空港として拡張されました。
ベトナム戦争中は、南ベトナム空軍とアメリカ軍の重要な軍事施設となり、1973年のパリ和平協定に基づき、北ベトナム政府代表団も駐留しました。1975年4月28日には、北ベトナム軍による空襲と地上部隊によって包囲され、空港は一時的に機能停止に陥りました。これにより、サイゴン陥落とベトナム戦争終結を迎えました。

戦後、2004年12月9日にアメリカの航空会社が初めて再就航しました。2007年9月2日には、日本の政府開発援助（ODA）によって建設された新しい国際線ターミナルがオープンしました。

旅客ターミナル

国内線ターミナル（ターミナル1）

かつては国内線と国際線の両方が利用していましたが、2007年8月に新国際線ターミナルがオープンしたことで国内線専用となりました。主にベトナム航空やパシフィック航空などが利用しています。

国際線ターミナル（ターミナル2）

国際航空需要の増加に対応するため、日本のODAによって新しく建設されました。4階建てで、面積は約10万平方メートル、8つの搭乗橋を備えており、年間800万人から1000万人の旅客に対応可能です。この新ターミナルは2007年8月28日に利用が開始され、9月2日の国慶節にグランドオープンしました。

新国際ターミナルの到着フロアを出た場所には、ベトナム政府から日本への感謝の意を込めた石碑が設置されています。石碑には日本語、ベトナム語、英語で感謝の言葉が刻まれています。

就航航空会社と就航都市

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの定期便が運休、減便、経路変更されています。

アクセス

現在、空港への鉄道や高速道路は整備されていませんが、ホーチミン市中心部から約8kmと非常に近い場所に位置しています。そのため、路線バスやタクシーを利用して約30分程度で市中心部へアクセス可能です。

路線バス

かつては152番バスが運行されていましたが、最終便が18時発と早かったため、深夜便の利用者はバスを利用できませんでした。しかし、2016年3月からは、朝5時45分から深夜2時半まで運行する109番路線バスが開通し、ベンタイン市場前ロータリーや9月23日公園と空港を結んでいます。運賃は初乗り12,000ドン、終点までは20,000ドンです（2016年3月現在）。

ホテル専用車

宿泊するホテルによっては、専用車での送迎サービスを利用できます。中型セダン1台で片道約20USドル程度が目安です。

鉄道

ホーチミン市都市鉄道が空港に接続する計画があり、事業化調査が完了しています。今後の進展が期待されます。

近隣の空港

将来的には、ホーチミン市中心部から東へ約40kmの場所に、ロンタイン国際空港が2025年に完成予定です。これにより、タンソンニャット国際空港の混雑緩和が期待されています。

その他の情報

タンソンニャット国際空港は、歴史的な背景を持つと共に、現代のベトナムの発展を支える重要なインフラとなっています。空港の利便性は高く、多くの観光客やビジネスマンが利用しています。

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