ターフェルシュピッツ

ターフェルシュピッツ：オーストリア皇帝も愛した牛肉の煮込み料理

ターフェルシュピッツは、牛肉をブイヨンでじっくりと煮込んだ、オーストリアを代表する料理です。特にウィーンで愛されており、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の好物であったことでも知られています。皇帝が愛した味が、当時のウィーン市民にも広まり、昼食の定番料理として親しまれてきました。

ターフェルシュピッツの調理法

ターフェルシュピッツは、塊の牛肉を香味野菜とともに煮込むことで作られます。一般的に使用される野菜は、人参、玉ねぎ、セロリ、パースニップ、長ねぎなどです。これらの野菜とローリエや粒コショウなどの香辛料を加え、牛肉が柔らかくなるまで長時間ブイヨンで煮込みます。

煮込まれた牛肉は、鍋から取り出して皿に盛り付けられます。伝統的な食べ方としては、アプフェルクレン（すりおろしたリンゴとホースラディッシュのソース）やシュニットラウヒソース（チャイブ入りのサワークリーム）を添えていただきます。これらのソースが、牛肉の旨味を引き立てます。また、ほうれん草のソースや炒めたじゃがいもなどの野菜が添えられることもあります。

部位について

ターフェルシュピッツに使われる牛肉の部位は、尻と太ももの一番上の間にある肉を指します。日本では、もも肉の一部の「らんいち」や「イチボ」と呼ばれる部位に相当します。海外では、アメリカではトップラウンド (top round) 、イギリスではトップサイド (topside) と呼ばれる部位が使われます。

クレーンフライシュとの違い

ドイツ・バイエルン州のフランケン地方には、クレーンフライシュという類似の肉料理があります。クレーンフライシュは、豚肉が使われる場合がある点と、ソースがセイヨウワサビ（フランケン方言でクレーン）で味付けされる点がターフェルシュピッツとは異なります。

ターフェルシュピッツは、シンプルながらも奥深い味わいを持つ料理です。ぜひ本場ウィーンで、その味を堪能してみてください。

関連項目

* ボイルドビーフ - イギリスの伝統的な牛肉の煮込み料理。

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