ターボル (チェコ)

ターボル (Tábor)

ターボルは、チェコ共和国の南ボヘミア州に位置する都市です。ヴルタヴァ川の支流、ルジュニツェ川沿いの高台に建設されました。プラハから約80km南、チェスケー・ブジェヨヴィツェから約50km北に位置しています。

歴史

ターボルは15世紀初頭、神聖ローマ皇帝兼ボヘミア王であったジギスムントに反旗を翻したフス派の中でも、特に急進的なターボル派によって建設されました。彼らはこの地を軍事拠点とし、徹底的な防衛都市を築き上げました。

都市の構造は、軍事的な意図が色濃く反映されています。迷路のように入り組んだ路地は、敵の侵入を遅らせ、混乱させるための工夫です。ヤン・ジシュカのような優れた軍事指導者の下、経験の浅い農民兵士たちは訓練を重ね、皇帝軍を相手に幾度も勝利を収めました。

しかし、ターボル派内部でも意見の対立が起こります。ジギスムントとの和睦を目指す穏健派のウトラキストとの間で対立が激化し、1434年のリパニの戦いでターボル派は壊滅的な打撃を受けました。その後、ターボルはジギスムントの統制下に置かれることとなりました。

文化

19世紀に入り、チェコ民族意識が高揚すると、フス戦争はチェコ民族の独立を求める戦いとして再解釈されるようになりました。この流れの中で、チェコの作曲家ベドルジハ・スメタナは、連作交響詩「わが祖国」の第5曲でターボルを題材に取り上げ、その歴史と精神を描き出しました。

姉妹都市

ターボルは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

コンスタンツ (ドイツ)
ドール (フランス)
オリンダ (アメリカ合衆国カリフォルニア州)
ヴェルス (オーストリア)
* シュコーフィア・ロカ (スロベニア)

ターボルは、その歴史的な背景と独特の都市構造から、多くの観光客を魅了する都市です。フス戦争の激戦地であり、チェコの歴史と文化を深く感じることができるでしょう。

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