ターミナス

ターミナス（Terminus）は、アイザック・アシモフのSF小説シリーズ『銀河帝国の興亡（ファウンデーション）』に登場する架空の惑星であり、その惑星の首都名でもあります。

地理

銀河系の辺境に位置し、広大な海に約一万もの島々が点在する、水と緑豊かな惑星です。最大の島がかろうじて大陸と呼べるほどの大きさで、その島に首都ターミナスが建設されました。農業には適していますが、金属資源が非常に乏しいため、重工業には向いていません。

歴史的役割

心理歴史学の創始者であるハリ・セルダンは、銀河帝国の崩壊を予見し、来るべき混乱の時代を乗り越え、より良い未来を築くために「セルダン計画」を提唱しました。その計画の中核をなすのが、銀河百科事典の編纂を目的とした組織「第一ファウンデーション」です。ターミナスは、この第一ファウンデーションの本拠地として選ばれました。セルダンの目的は、帝国の崩壊後に訪れるであろう暗黒時代を短縮し、1000年後の帝国の再建を可能にすることでした。ターミナスに集められた科学者や技術者たちは、来るべき未来のために知識を集積し、技術を保存するという重要な使命を担いました。

日本語表記について

日本語によるカタカナ表記は、翻訳者によって異なり、いくつか種類があります。

テルミナス:
創元SF文庫の厚木淳による翻訳や、サイドランチから発売された漫画版で使用されています。この表記は、語源となったローマ神話の神テルミヌスのラテン語読みと英語読みを折衷したものと考えられます。
ターミナス:
ハヤカワ文庫の岡部宏之による翻訳や、テレビドラマ版で使用されています。英語の発音に基づいた表記です。
テルミヌス:
野田昌宏が翻案した児童向け抄訳本『滅びゆく銀河帝国』や、鍛治靖子による創元SF文庫新訳版で使用されています。

このように、翻訳者によって表記が異なるのは、原語の発音や、翻訳の意図、時代背景などが影響していると考えられます。

参考文献

アイザック・アシモフ『銀河帝国の興亡』

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