ダイエー陸上部

ダイエー陸上部の歴史と活動

ダイエー陸上部は1983年に設立され、1998年までの間、ダイエーの実業団として長距離走に特化した競技活動を行っていました。最初の拠点は大阪府でしたが、後に兵庫県神戸市、そして福岡県へと移転しました。スタート時のユニフォームは企業のコーポレートカラーであるオレンジ色でした。

発足と初期の活動

1983年の春、ダイエー陸上部はダイエー会長の中内功の推進のもとで発足しました。当初、陸上部は駅伝競走を対象にするのではなく、マラソンに重点を置くことが決まっていました。成立時、旭化成陸上部に所属していた宗兄弟をマネージャーとして勧誘を試みましたが、彼らは拒否しました。その結果、旭化成で長距離ランナーとして知られていた佐藤進が初代監督に就任しました。

佐藤監督は学生時代の優れた選手たちをスカウトしようとしましたが、思うようにはいきませんでした。発足時点でメンバーは仙内勇ら5人のみであり、さらなる選手確保に尽力しました。1983年3月の合宿で中日名古屋スピードマラソンに出場した中山竹通に着目し、彼をチームに迎え入れることに成功しました。中山はその後、ソウルとバルセロナオリンピックで連続して4位入賞を果たすなど、才能を開花させました。

成長と強化

大阪時代には、中山だけでなく、小指徹や熊谷勝仁、道浦誠などの実力派選手が活躍しました。また、女子選手としては山本佳子やシドニーオリンピック代表の山口衛里も所属していました。佐藤監督のトレーニング法は彼自身の旭化成での経験を基にしたもので、非常に厳しい内容が特徴でしたが、選手たちはそのトレーニングをしっかりとこなしました。

移転と再編

1993年、大阪陸上部との統合によりダイエー神戸陸上部が設立され、大阪から神戸への移転が行われました。しかし、1995年、阪神・淡路大震災を受けてチームは福岡県に拠点を移すことになります。この時、日産自動車陸上部から白水昭興を監督に迎え入れ、福岡の地で新たな章を始めました。福岡移転後は、ステファン・マヤカ、藤脇友介、本川一美、高橋健一、近野義人などの選手がチームに参加しました。

活動の終焉

ダイエー陸上部は、全日本実業団対抗[[駅伝競走大会]]に5回出場し、特に第41回（1997年）と第42回（1998年）では3位という好成績を収めました。しかし、ダイエー本社の業績が悪化したことから、1998年3月に残念ながらチームは解散することとなりました。ダイエー陸上部の歴史は、短期間ながらも多くの選手たちに名を刻むことになった、実業団陸上競技の重要な一部を成していました。

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