ダイサギ

ダイサギ（大鷺）

ダイサギ（学名：Ardea alba）は、ペリカン目サギ科に分類される大型の鳥類です。日本ではアオサギと並んで最大級のサギとして知られています。その美しい白い姿から「白鷺」とも呼ばれます。

形態

ダイサギの体長は約90cmに達し、全身が純白の羽毛で覆われています。首と脚が非常に長く、くちばしも長いです。足は黒色をしています。

夏羽と冬羽

夏羽では、くちばしが黒くなり、足の付け根がわずかに黄色みを帯びます。胸や背中には長い飾り羽が現れ、目の周りに婚姻色として緑色がかることもあります。一方、冬羽では飾り羽がなくなり、くちばしは黄色くなります。これらの変化は、季節ごとに異なるダイサギの魅力を引き出しています。

チュウサギとの比較

ダイサギはチュウサギと似ていますが、チュウサギの方が小型です。また、ダイサギはくちばしが長く、目の下にある口角の切れ込みが目よりも後ろまで食い込んでいることで容易に区別できます。

分布

ダイサギは、世界の熱帯から温帯地域に広く分布しています。温帯地域に生息するものは、冬になると暖かい地方へ移動します。

日本での観察

日本では、亜種チュウダイサギ（学名：Ardea alba modesta）が夏鳥として、亜種オオダイサギ（学名：Ardea alba alba）が冬鳥としてそれぞれ観察されます。そのため、渡り鳥でありながら、ほぼ一年を通してダイサギの姿を見ることができます。

• - オオダイサギ：冬鳥として日本に飛来
• - チュウダイサギ：夏鳥として日本で繁殖

生態

ダイサギは、水田、川、湖沼などで生活し、魚類、両生類、爬虫類、昆虫、さらには小型の哺乳類や鳥類まで幅広い獲物を捕食します。首をS字型に縮めてじっと獲物を待つ姿はよく見られます。

繁殖

繁殖期には、サギ科の他の種類と集まって集団繁殖地である「サギ山」を形成します。繁殖期には、「ゴァー」という特徴的な鳴き声を発します。また、採食のための縄張りに侵入する他のダイサギに対しては、「ガァァァ」または「ガガガ…」と鳴いて威嚇します。

分類

ダイサギは、アオサギ属（Ardea）とコサギ属（Egretta）の両方の特徴を併せ持つため、分類が研究者によって異なる場合があります。最近では、ダイサギを単独でダイサギ属（Casmerodius）に分類する考え方も提唱されています。

参考文献

• - 『世界の動物｜分類と飼育 コウノトリ目+フラミンゴ目』、財団法人東京動物園協会、1985年、20 - 21頁

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