白鷺

シラサギ（白鷺、はくろ、英名：egret）は、その名の通り、ほぼ全身が白いサギ類の総称です。特定の種を指す言葉ではなく、コサギ属の旧名でもあります。漢字表記ではコサギを指しますが、日本ではダイサギ、チュウサギ、コサギ、そして稀に飛来するカラシラサギが該当します。また、アマサギ（冬羽が白い）や、クロサギの白色型もシラサギと呼ばれることがあります。

シラサギを見分けるには、大きさ、くちばしの色、足指の色、冠羽の有無などが手がかりとなります。シラサギ類は、全体的にくちばし、首、足が長く、非常に目立ちます。成鳥は繁殖期になると、頭や背に美しい飾り羽が生えます。これらの飾り羽は、かつて婦人用の帽子の飾りとして珍重されていました（エグレット）。

シラサギの生態として、彼らは渓流のような清流には生息せず、富栄養化が進んだ水域を好む傾向があります。他のサギ類と一緒に集まって営巣し、集団繁殖地（コロニー）を形成することが多く、この場所は「鷺山（さぎやま）」と呼ばれます。しかし、集団で営巣することから、糞や餌の腐敗臭、雛の鳴き声などが公害問題となることもあります。

人間との関係では、コサギの冠羽が日本画のモチーフとして使われるなど、古くから親しまれてきました。繁殖期の飾り羽は非常に美しく、帽子の飾りとしても利用されてきましたが、現在は多くの国で規制の対象となっています。徳島県では、1965年（昭和40年）に白いサギ科の鳥の総称として「しらさぎ」を県の鳥に制定しており、地域に根ざした鳥として親しまれています。

シラサギは、私たちの生活圏に近い場所に生息する鳥であり、その美しい姿は多くの人々を魅了しています。しかし、その一方で、集団繁殖による問題も抱えています。彼らとの共存を考える上で、生態を理解することは重要です。

関連情報

サギ
サギ科
しらさぎ (列車) - 山中温泉の開湯伝説に登場する白鷺が由来。
白鷺城 - 姫路城、八代城の別称。姫路城では「はくろじょう」、八代城では「しらさぎじょう」と読む。
「白鷺」は姫路市の雅称としても用いられる。
白鷺駅
白鷺山公園
白鷺神社
カラジューム属

外部リンク
シラサギの見分け方

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