ダイタクバートラム

ダイタクバートラム：重賞競走を制した長距離馬の生涯

ダイタクバートラム（1998年4月6日～2023年4月25日）は、日本の競走馬、種牡馬として活躍しました。2003年の阪神大賞典、2004年のステイヤーズステークス、そして北九州記念といった重賞競走を勝利に導いた、記憶に残る名馬です。その輝かしい競走生活と、種牡馬としての歩み、そして生涯をたどってみましょう。

遅咲きの才能：競走馬としてのキャリア

ダイタクバートラムのデビューは3歳(2001年)2月と比較的遅く、最初の数戦はダートで経験を積みました。芝の未勝利戦で初勝利を収めた後、毎日杯で3着に入るなど、その才能の片鱗を見せ始めます。しかし、クラシックへの挑戦は叶わず、その後もマイルから中距離のレースで人気を集めるものの、勝利には届きませんでした。

転機は2002年のステイヤーズステークスでした。それまで2000メートル以下のレースを主戦場としていましたが、距離延長の挑戦に見事応えます。ホットシークレットに次ぐ2着という好成績で、オープン入りを果たしました。翌2003年には万葉ステークスでオープンクラス初勝利。長距離路線への転向が、ダイタクバートラムにとって大きな成功をもたらしたと言えるでしょう。

そして迎えた2003年の阪神大賞典。単勝1番人気に応え、重賞初制覇を達成しました。続く天皇賞（春）でも1番人気に支持されましたが、直線での不利が響き3着に敗れました。宝塚記念では6着と結果を残せませんでしたが、この後、蹄の内部に蟻の巣が這うような状態になる「蟻洞」という病気の発症により長期休養を余儀なくされます。

休養明けの2004年は苦戦が続きましたが、北九州記念で復活劇を演じます。6番人気ながら、小牧太騎手を背にレコードタイムで勝利を飾りました。中距離戦線でも重賞勝ちを挙げたことで、その能力の高さを改めて証明しました。ステイヤーズステークスではミルコ・デムーロ騎手とのコンビで圧勝。有馬記念でも4着と好走するなど、晩年まで高い競走能力を維持していました。しかし、その後繋靭帯炎を2度発症し、2005年のアルゼンチン共和国杯を最後に引退。種牡馬としての道を歩むこととなりました。

種牡馬生活と引退

2006年から日高スタリオンステーションで種牡馬としての生活が始まりました。初年度の種付け料は牡馬誕生後20万円、牝馬無料と設定され、5年間で42頭の種付けを行いました。22頭が血統登録されましたが、特に目立った産駒は輩出しませんでした。2010年には十勝軽種馬農協種馬所、2011年には中川郁夫牧場へと移動しましたが、種付け記録はありませんでした。

2011年11月1日付で種牡馬を引退。引退名馬繋養展示事業の助成対象となり、ホーストラスト北海道で余生を送りました。2023年4月25日、同地でその生涯を終えました。

血統背景

ダイタクバートラムは、半兄にマイル重賞で活躍したダイタクリーヴァ、近親にダイタクヘリオスを持つ、良血馬でした。この血統背景も、彼の競走能力に大きく影響を与えたと考えられます。

まとめ

ダイタクバートラムは、遅咲きの才能を開花させ、長距離戦線で数々の重賞競走を制した名馬でした。種牡馬としても繋養され、その血統は今も受け継がれています。競走馬としての活躍、種牡馬としての貢献、そしてその生涯は、競馬ファンにとって永遠に記憶されるべきものです。

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