ダイハツ・グランマックス

ダイハツ・グランマックス：グローバルに活躍する小型商用車の軌跡

ダイハツ工業とトヨタ自動車が共同開発し、ダイハツ工業が製造・販売する小型商用車「グランマックス」は、バンとトラックの2種類がラインナップされています。アジア市場で販売されていた「ゼブラ」の後継モデルとして登場し、インドネシアのアストラ・ダイハツ・モーターで生産されています。日本国内では、トヨタブランドの「タウンエース」および「ライトエース」（2020年販売終了）として販売され、1トン未満の小型トラックとしては唯一の存在感を誇ります。

「グランマックス3兄弟」と日本市場への展開

グランマックスは、トヨタ・タウンエース／ライトエース、そしてマツダ・ボンゴと、3車種で構成される「グランマックス3兄弟」の中核を担っています。2008年には、日本向けにフルモデルチェンジされたタウンエース／ライトエースが発売され、その後、2020年にはダイハツブランドでも「グランマックス カーゴ」「グランマックス トラック」として販売が開始されました。これは、ダイハツ車として初の海外生産車（逆輸入車）であり、長らく途絶えていたダイハツブランドの小型商用車の国内販売再開となりました。日本仕様では、インドネシア仕様と同様に2NR-VE型Dual DVVTエンジンを搭載し、アイドリングストップ機能や安全機能も充実しています。

設計と技術

グランマックスは、セミキャブオーバースタイルを採用することで、クラス最高のロングホイールベースを実現しています。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはバンが5リンクリジッド、トラックがリーフリジッドです。ステアリングはラック・アンド・ピニオン式です。エンジンは1.3LのK3-DE型と、1.5Lの3SZ-VE型が用意され、雨季の道路冠水を考慮して吸気口の位置が高く設計されています。駆動方式は後輪駆動（FR）で、5速MTと4速ATがインパネシフトで提供されています。バンには9人乗りの貨客兼用モデルとブラインドバン、トラックは3人乗りのモデルがあり、バンはクラス唯一の両側スライドドアを備えています。

インドネシア市場と派生車種

インドネシアでは、グランマックスをベースとした8人乗りミニバン「ルクシオ」も販売されています。グランマックスは、インドネシアの過酷な道路環境を考慮した設計となっており、高い信頼性と耐久性を誇ります。

不正問題と型式指定取り消し

2023年末、ダイハツ工業の認証試験不正問題が発覚し、グランマックスを含む多くの車種が出荷停止となりました。2024年1月には、国土交通省によりトラックタイプの型式指定が取り消され、事実上、生産停止となりました。しかし、バンタイプは型式認定取り消しの対象外となり、出荷停止指示が解除されました。

名前の由来

車名の「グランマックス」は、「Grand」（壮大）と「Maximum」（最大）を組み合わせた造語で、大容量の車体によって顧客に最大のメリットを提供することを意味しています。

まとめ

ダイハツ・グランマックスは、インドネシアで生産され、日本を含む世界各国で販売されているグローバルな小型商用車です。不正問題による一時的な生産停止を経て、現在もバンタイプは販売を続けています。その高い信頼性と耐久性、そして多様なバリエーションは、世界中のユーザーから高く評価されています。将来、どのような進化を遂げるのか、今後の動向に注目です。

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