ダイハツ・セニア

セニア(XENIA)：新興国市場を席巻する小型ミニバンの歴史

ダイハツ工業とトヨタ自動車が共同開発した7人乗り小型ミニバン、セニア(XENIA)は、主に新興国市場において高い人気を誇ります。インドネシアを生産拠点とし、その歴史は初代モデルから3代目へと続きます。本稿では、セニアのモデルチェンジの歴史、搭載エンジン、トランスミッション、そして中国市場での展開などについて、詳細に解説します。

初代モデル(F600型): 2004年 - 2011年

初代セニア(F600型)は、1.0Lと1.3Lの直列エンジンを搭載し、5速マニュアルトランスミッションまたは4速オートマチックトランスミッションと組み合わせられました。初期モデルには可変バルブ機構が搭載されていませんでしたが、フェイスリフト後にVVT-i機構が追加され、燃費性能の向上を図りました。

中国市場への進出

2006年、ダイハツは北京モーターショーでセニアのプロトタイプ「D-01」を公開し、翌2007年から第一汽車グループと合弁で中国市場へ参入しました。中国名「森雅」として販売されましたが、ブランド認知度の低さから販売は低迷し、後に価格改定と一汽ブランドへの変更を行いました。

2代目モデル(F650型): 2011年 - 2021年

2011年、フルモデルチェンジを果たした2代目(F650型)が登場。2015年と2019年にはマイナーチェンジを実施し、エクステリアデザインの変更やLEDヘッドライトの採用など、改良が重ねられました。

3代目モデル(W100型): 2021年 -

2021年、約10年ぶりのフルモデルチェンジで登場した3代目(W100型)は、ダイハツの新たなグローバルアーキテクチャ「DNGA」を採用した初のBセグメント車種です。DNGA-Bプラットフォームの採用により、初めてFFレイアウトを採用し、室内空間は2代目と比較して大幅に拡大されました。

トランスミッションは5速MTに加え、D-CVTが新たに採用され、燃費性能の向上に貢献しました。タイヤサイズの大径化、スポーティな内外装デザイン、そして先進安全機能「Advanced Safety Assist（日本名：スマートアシスト）」の設定など、多くの改良が加えられました。

車名「XENIA」の由来

セニアの車名は、ギリシャ語の「Xenia（ゼニア）」に由来します。これは「おもてなし」や「ゲストの友情」を意味する言葉で、車名に込められた開発陣の想いを反映しています。

まとめ

セニアは、新興国市場におけるダイハツとトヨタの戦略を象徴するモデルです。長年に渡る改良とモデルチェンジを経て、常に進化を続けてきました。最新の3代目モデルは、DNGAプラットフォームと先進技術を採用することで、高い商品力と競争力を獲得しています。今後も新興国市場において、重要な役割を果たしていくことが期待されます。

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