ダウントン・アビー

『ダウントン・アビー』について

『ダウントン・アビー』（原題：Downton Abbey）は、イギリスのITVで2010年に放送が始まり、2015年に終了した時代劇テレビドラマです。製作はジュリアン・フェロウズが手がけ、カーニヴァル・フィルムズとマスターピースによる共同制作により、全6シーズン、52話が制作されました。アメリカではPBSを通じて放送され、日本でもスター・チャンネルやNHKで視聴されました。

概要

物語は1912年から1925年までのイギリス、ヨークシャーの架空の邸宅「ダウントン・アビー」が舞台となっており、エドワード朝以降の貴族社会やその周囲の歴史的事件を背景に展開されます。物語ではグランサム伯爵家とそこで働く使用人たちの日常を描き、社会情勢や歴史的出来事が彼らの生活にどのように影響を与えるかを探求しています。

各シーズンは特定の歴史的背景をもとに構成されており、シーズン1ではタイタニック号の沈没が描かれ、シーズン2では第一次世界大戦の影響やスペインかぜの流行がテーマです。続くシーズンではアイルランド独立戦争やアメリカの政治スキャンダルといった、当時の重要な出来事が取り上げられます。最終シーズンは、労働者階級の台頭と貴族家族の経済的苦境を描いています。

主要な登場人物

ダウントン・アビーの所有者はロバート・クローリー（グランサム伯爵）。彼の妻であるコーラと母バイオレット、三人の娘メアリー、イーディス、シビルが主要なキャラクターです。ロバートの家系では、いとこであるマシュー・クローリーが爵位と財産を相続することになります。

話が進む中、使用人たちも重要な役割を果たします。執事カーソン、メイド長アンナ、元軍人のベイツらが多くのストーリーと絡みあい、彼らの日常生活や人間関係が物語の重要部分を構成しています。

映画化

ドラマの人気が高まったことから、映画版『ダウントン・アビー』は2019年に公開されました。続いて、2022年には第2作目となる『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』が登場しました。映画では、1927年の国王の訪問や遺産相続を巡るストーリーが展開され、ドラマから引き続きさまざまなキャラクターたちの活躍が描かれています。

受賞歴と影響

『ダウントン・アビー』はテレビ評論家からの評価が高く、ゴールデングローブ賞やプライムタイム・エミー賞を受賞しました。また、ギネス世界記録にも登場し、2011年に最も高い評価を得たイギリスのテレビシリーズに認定されています。その影響力は、ファッションブランドのラルフ・ローレンのコレクションにも見られ、「ダウントン・スタイル」のテーマが掲げられました。

この作品は視聴者を歴史の中に引き込み、貴族と使用人の生活の交差点を描くことで、観る者に強い印象を残しました。今日でも『ダウントン・アビー』は多くの人に愛され、視聴の機会を提供し続けています。

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