ダオダ・マラム・ワンケ

ダオダ・マラム・ワンケは、ニジェールの軍人であり、1999年のクーデターで一時的に政権を握った人物です。生年については1954年生まれ説が有力ですが、1946年生まれという情報も存在します。

軍人としてのキャリアを重ね、首都ニアメ近郊のエルーで大統領警護隊長にまで昇りつめました。1999年4月9日、少佐の地位にあったワンケはクーデターを実行し、当時のイブライム・バレ・マイナサラ大統領を殺害しました。クーデターの背景には、同年2月に行われた地方議会選挙の結果をマイナサラ大統領が認めず、選挙のやり直しを決定したことに対する不満がありました。マイナサラ自身もクーデターで政権を掌握した経緯がありましたが、この事件後、ニジェールには一時的な政治的空白が生じました。

当時の首相であったイブライム・ハッサン・マヤキらが大統領職への就任を主張する中、ワンケは4月11日に軍事政権である国家和解評議会の設立を宣言し、自らその議長（国家元首）に就任しました。彼は、早期の民政移管と同年中の総選挙実施を公約しました。

ワンケの公約は実現され、10月17日に大統領選挙の第一回投票、11月24日には大統領選挙の決選投票と議会選挙が実施されました。大統領選挙では社会発展国民運動（MNSD）のタンジャ・ママドゥが勝利し、議会選挙でもMNSDが第一党となりました。同年12月22日、国家和解評議会は解散し、ママドゥが大統領に就任し、ニジェールは民政へと移行しました。

晩年のワンケは心臓病などの健康問題を抱え、治療のためにモロッコ、リビア、スイスなどを訪れましたが、2004年9月15日にニアメで亡くなりました。妻と3人の子供がいました。

関連事項

* ニジェールの大統領

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