ダガリ語

ダガリ語（Dagaare）は、ニジェール・コンゴ語族のグル語派に属する言語であり、主にガーナ北部とブルキナファソ南部に居住するダガーバ族（Dagaaba）によって話されています。ダガーバ族の文化とアイデンティティを支える重要な言語であり、口承伝承、音楽、儀式など、様々な文化的表現の媒体として機能しています。

ダガリ語の分類と方言

言語学的な分類では、ダガリ語はグル語派に属し、さらにその中のオティ・ヴォルタ語群に分類されます。エスノローグ（Ethnologue）の分類によれば、ダガリ語には主に3つの方言が存在します。

南部ダガリ語（Southern Dagaare）: 約70万人（2003年時点）の話し手がおり、ダガリ語の方言の中で最も話者数が多いです。
北部ダガラ語（Northern Dagara）: 約38万8千人（2001年時点）の話し手がいます。南部ダガリ語と比較して、音韻や語彙に若干の違いが見られます。
ダガーリ・ジュラ語（Dagaari Dioula）: 約2万1千人（1999年時点）の話し手がおり、ブルキナファソを中心に話されています。ジュラ語（Dioula）の影響を受けているとされ、他のダガリ語の方言とは異なる特徴を持っています。

これらの3つの方言は、相互に理解可能であると考えられていますが、地域やコミュニティによって発音や語彙に差異が見られます。

ダガリ語の現状と課題

ダガリ語は、ダガーバ族の日常生活や文化において重要な役割を果たしていますが、近年、他の言語、特に英語やフランス語の影響を受けています。都市部では、若い世代を中心に英語やフランス語の使用が増加しており、ダガリ語の伝承が危惧されています。このような状況に対し、ダガリ語の保護と普及のための取り組みが行われています。

ダガリ語の研究と参考文献

ダガリ語の研究は、言語学、人類学、社会学など、様々な分野の研究者によって行われています。特に、ダガリ語の音韻体系、文法構造、語彙、社会言語学的な側面に関する研究が進められています。ダガリ語に関する主要な参考文献としては、以下のものが挙げられます。

Bodomo, Adams, "The Dagaare language and its speakers: Introduction"
Ethnologue Language family tree "Niger-Congo, Atlantic-Congo, Volta-Congo, North, Gur, Central, Northern, Oti-Volta, Western, Northwest, Dagaari-Birifor, Dagaari"

関連情報

ダガリ語に関心のある方は、以下の情報源も参照してください。

ガーナの言語
* PanAfriL10n page on Dagaare（外部リンク）

ダガリ語は、ダガーバ族のアイデンティティと文化を反映する貴重な言語であり、その保護と研究は、言語多様性の保全と文化理解の深化に貢献します。

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