ダグラス DT

ダグラス DT (Douglas DT)

ダグラスDTは、1920年代にアメリカ海軍で運用された歴史的な爆撃機および雷撃機です。この機体は、ダグラス・エアクラフトが初めてアメリカ海軍から受注した航空機としても知られており、その名の由来は「D」がダグラスを、「T」が魚雷（torpedo）を示しています。

実際に受注が始まったのは1921年4月1日で、当初は折り畳み翼を持つ3機の生産が決まりました。ダグラスDTは先進的な設計を採用しており、溶接鋼管のフレームを基に、機体前部と中央部にはアルミニウムが使用されています。また、機体後部は羽布張りの構造を持ち、全体的に軽量で強度の高い設計となっています。合計46機がダグラスで製作され、これに加えて、ライセンス生産として、Lowe-Willard-Fowler Engineering Companyが20機、Naval Aircraft Factoryが6機、デイトン・ライトが11機を製造しました。ノルウェー向けには7機が製造され、この機体は第二次世界大戦中のドイツによるノルウェー侵攻時にも使用されましたが、実際の戦闘には投入されませんでした。

ダグラスDTの特筆すべき点は、フロートと車輪のどちらの装備も可能で、1,800ポンド（816kg）の魚雷を搭載できる点です。1921年に初めて飛行し、1929年まで継続して生産が行われました。また、アメリカ海軍の最初の航空母艦であるラングレーからも運用されたことがあり、海兵隊でも使用されることがありました。さらに、ダグラスDTは後に世界一周飛行を行った「ダグラス DWC」に改造されることもありました。

派生型

ダグラスDTには複数の派生型が存在します。

• - DT-1: 試作型として3機が生産されました。
• - DT-2: 2名の乗員を収容できる雷撃機で、450 hp（336 kW）のLiberty V-12エンジンを搭載。合計64機が製造されました。
• - DT-3: 改造提案があったものの生産には至りませんでした。
• - DT-4: DT-2のうち4機が爆撃機に改造され、Wright T-2 V-12エンジンを装備しました。
• - DT-5: DT-4の改造型で、650 hpのWright T-2B V-12エンジンを搭載。
• - DT-6: DT-2の1機が450 hp（336 kW）のWright P-1星型エンジンに換装されました。
• - DT-2B: ノルウェー向けに製造された機体で、7機がライセンス生産されました。
• - DTB: ペルー向けの機体で、650 hp（523 kW）のWright Typhoon V-12エンジンを搭載。
• - SDW-1: デイトン・ライトでライセンス生産された改造型のDT-2です。

主要なスペック（DT-2）

• - 乗員: 2名
• - 全長: 11.5 m
• - 全幅: 15.8 m
• - 全高: 4.6 m
• - 翼面積: 65.7 m²
• - 空虚重量: 2,054 kg
• - 全備重量: 3,308 kg (4,500 lb)
• - エンジン: Liberty, 450 hp
• - 最大速度: 160 km/h
• - 巡航高度: 2,300 m
• - 航続距離: 441 km
• - 上昇率: 1,500mまで14.5分

武装

• - 1 x .30 in (7.62 mm) 機銃
• - 1 x 1,835 lb (834 kg) 航空魚雷

ダグラスDTは、その独自性と優れた設計により、1920年代の航空機の中でも特に評価の高い存在となっています。

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