ダグ・ロジャース

ダグ・ロジャース：カナダ柔道の先駆者

ダグ・ロジャース（Douglas "Doug" Rogers、1941年1月26日 - 2020年7月20日）は、カナダ・ノバスコシア州トゥルーロ出身の柔道家です。身長190cm、体重111kgという恵まれた体格を生かし、重量級の選手として国際舞台で活躍しました。

柔道との出会いと成長

ロジャースが柔道を始めたのは15歳の時。モントリオールのYMCAで柔道に触れ、その魅力に惹きつけられました。1960年には、更なる成長を求めて講道館へ留学。日本の柔道に触れ、急速に力を伸ばしていきました。

東京オリンピックでの銀メダル

ロジャースの名を世界に知らしめたのは、1964年の東京オリンピックでした。重量級に出場したロジャースは、決勝で日本の猪熊功と対戦。猪熊の優勢勝ちとなり銀メダルに終わりましたが、その実力を世界に示すこととなりました。

全日本学生柔道優勝大会での活躍

オリンピック後、ロジャースは木村政彦を慕い、拓殖短期大学貿易科フランス語部に入学。全日本学生柔道優勝大会では、拓殖大学の初優勝に大きく貢献しました。決勝では明治大学の選手を相手に一本勝ちを収めるなど、オール一本勝ちという圧倒的な強さを見せつけました。

世界選手権でのメダル

1965年の世界選手権（リオデジャネイロ）では、重量級で3位に入賞。準決勝でオランダのアントン・ヘーシンクに敗れたものの、敗者復活戦を勝ち上がり、銅メダルを獲得しました。無差別級ではメダルに届きませんでした。

パイロットへの転身とその後

その後、ロジャースは航空会社のパイロットになるためカナダに帰国。1972年のミュンヘンオリンピックにも出場しましたが、現役時代のような厳しいトレーニングは積めず、重量級、無差別級ともに5位という結果に終わりました。カナディアン航空のパイロットを引退してからも、地域の柔道大会に時折顔を見せていたといいます。2020年7月20日、79歳で永眠。

人柄

多くの外国人選手が講道館で修行しましたが、ロジャースは様々な相談や悩みを打ち明けた唯一の選手だったと言われています。また、オリンピックで優勝したら吉永小百合に会うのが夢だったというエピソードも残っています。

主な戦績

1964年 - 東京オリンピック　重量級　2位
1965年 - 全日本学生柔道優勝大会　優勝
1965年 - 世界選手権　重量級　3位
1967年 - パンアメリカン競技大会　重量級　2位、無差別　優勝
* 1972年 - ミュンヘンオリンピック　重量級　5位、無差別　5位

ダグ・ロジャースは、カナダ柔道の発展に大きく貢献した人物として、その名が語り継がれることでしょう。

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