ダニエル・バジャダレス

アンヘル・ダニエル・バジャダレス・ぺレス（Angel Daniel Valladares Perez）は、1995年にメキシコのヌエボ・レオン州モンテレイで生まれたプロフェッショナルボクサーである。かつてIBF世界ミニマム級の頂点に立った実績を持つ。

彼のプロとしての歩みは、2014年2月14日に始まった。デビュー戦では、4ラウンドを戦い抜き、判定による勝利を収めた。

キャリアの中で注目すべき一戦として、2019年4月13日にモンテレー・アリーナで行われた試合が挙げられる。この時、バジャダレスは元WBO世界ミニマム級王者のメルリト・サビーリョと対戦。経験豊富な相手に対し、見事なパフォーマンスを見せ、7ラウンド2分8秒、レフェリーストップによるTKO勝利を飾った。

初めての世界王座挑戦は、2020年2月1日に行われた。グアダルーペのヤルディバ・カルドナ・エキスポにて、当時のIBF世界ミニマム級王者ペドロ・タドゥランに挑んだのだ。しかし、この試合は不運な幕切れとなる。4ラウンド中に両者の頭部が偶然衝突し、バジャダレスが右まぶたを深くカット。試合続行が不可能と判断され、4回負傷引き分けとなった。この結果、この時は惜しくも王座獲得を逃した。

世界王座への挑戦権は再び巡ってきた。2022年7月1日、ヌエボ・レオンのセントロ・デポルティーボ・レボルシオンで開催されたIBF世界ミニマム級タイトルマッチで、当時の王者レネ・マーク・クアルトと対戦した。白熱した12ラウンドの攻防の末、判定の結果は2-1（113-114、116-112が2者）でバジャダレスを支持。この勝利により、彼はIBF世界ミニマム級チャンピオンの栄冠を手にした。

世界王者として臨んだ最初の防衛戦は、遠く離れた日本のリングが舞台となった。2023年1月6日、エディオンアリーナ大阪にて、IBF世界同級5位の日本人強豪、重岡銀次朗（ワタナベボクシングジム所属）と対戦。しかし、またしても偶然のアクシデントが試合に影響を及ぼす。3ラウンド途中、バジャダレスが偶発的なバッティングにより負傷し、続行不可能となる。試合は3回2分48秒で終了。この状況に対し、IBFは試合を無判定試合（ノーコンテスト）と裁定。バジャダレスの王座保持は認められたが、この試合は公式な防衛回数としては記録されないこととなった。

無判定試合で王座を守ったバジャダレスは、再度日本のリングに上がる運命となる。2023年10月7日、大田区総合体育館で開催されたIBF世界ミニマム級の団体内王座統一戦で、暫定王者となっていた重岡銀次朗との再戦が実現した。因縁の再戦となったこの試合は、バジャダレスにとって厳しい展開となる。5ラウンド2分15秒、重岡の攻撃によりレフェリーストップがかかり、TKO負けを喫した。この敗北により、初防衛と団体内王座統一に失敗し、IBF世界ミニマム級王座から陥落することとなった。

これまでのキャリアで、アンヘル・ダニエル・バジャダレス・ぺレスはIBF世界ミニマム級王座（防衛0回）のほか、WBC世界ライトフライ級シルバーユース王座を獲得している。

偶然のバッティングによる不運な試合を経験しつつも世界王座を獲得し、特に日本での重岡銀次朗との二度にわたる激闘を繰り広げたバジャダレスは、メキシコボクシング界において注目すべきキャリアを持つ選手である。

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