レネ・マーク・クアルト

レネ・マーク・クアルト

1996年8月4日、フィリピンの北サンボアンガ州ホセ・ダルマンで生まれたレネ・マーク・レヴィラス・クアルトは、世界の舞台で活躍したプロボクサーです。特に、国際ボクシング連盟（IBF）の世界ミニマム級王者として知られています。

クアルトのキャリアにおいて重要な節目となったのは、IBF世界ミニマム級王座の獲得です。2021年2月27日、彼はフィリピン国内で、当時の王者であった同胞のペドロ・タドゥランに挑みました。この試合は、当初1月に予定されていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で延期を経て開催されました。12ラウンドに及ぶ激しい戦いの末、クアルトは三者一致の判定で勝利を収め、見事IBF世界ミニマム級のベルトをその腰に巻きました。

初防衛戦の相手は、再びペドロ・タドゥランでした。2022年2月6日に行われた再戦では、試合が7回に入ったところで偶然のバッティングによりタドゥランが負傷し、そのまま試合続行不可能となりました。勝敗はそれまでの採点による負傷判定に委ねられ、クアルトが2-0のスコアで勝利を収め、初防衛に成功しました。

しかし、二度目の防衛は叶いませんでした。2022年7月1日、メキシコでの二度目の防衛戦で、クアルトはダニエル・バジャダレスと対戦。12ラウンドを戦い抜きましたが、1-2の判定で惜しくも敗れ、IBF世界ミニマム級王座を失いました。

世界王座を失った後、クアルトは再起を図ります。2022年12月23日には、フィリピンでデクター・アリメントと対戦し、2回1分6秒で相手をマットに沈める鮮やかなノックアウト勝利を収めました。

2023年4月16日、「3150FIGHT vol.5」と銘打たれた興行で、クアルトは日本のリングに初めて登場しました。これは、正規王者バジャダレスの休養に伴い設けられたIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦でした。クアルトはIBF世界ミニマム級4位の日本の実力者、重岡銀次朗と対戦。キャリア初のノックアウト負けとなる9回2分55秒KO負けを喫し、世界王座返り咲きはなりませんでした。

続く2024年1月20日にも日本のリングに上がり、後楽園ホールでWBC・WBO世界ライトフライ級1位の岩田翔吉と対戦しました。この試合は一つ上のライトフライ級契約で行われましたが、クアルトは6回2分21秒でTKO負けを喫し、厳しいKOでの二連敗となりました。

これまでにクアルトが獲得した主なタイトルは以下の通りです。

WBOオリエンタルミニマム級王座
IBF世界ミニマム級王座（防衛1）

元世界王者として再び頂点を目指すクアルト選手の今後の活躍が期待されます。

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