ダニー・ケイ
ダニー・ケイ (Danny Kaye)
ダニー・ケイは、1911年1月18日にアメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリンで生まれた本名デーヴィッド・ダニエル・カミンスキーという俳優、歌手、コメディアンです。彼の名声は、独特のパフォーマンススタイルやコミカルな演技から生まれ、数々の映画やブロードウェイ作品に出演しました。特に彼の音楽的才能や早口の講演技術は、観客に感銘を与えました。
生い立ち
ケイはウクライナ系のユダヤ移民の親のもとに育ち、幼い頃から歌やおしゃべりが得意でした。彼のキャリアは、高校を中退した後に入った劇団から始まりました。1939年には『The Straw Hat Revue』でブロードウェイデビューを果たし、これが彼の舞台芸術における第一歩となりました。
特に興味深いエピソードとして、彼は1934年に行った中国と日本のツアー中に、大阪での台風による停電で困難な状況に立たされましたが、その際に観客を楽しませるために即興で舞台に出て歌を披露しました。この経験は、後のユーモアや表現のスタイルに大きな影響を与えています。
映画界への進出
彼は1941年のブロードウェイ・ミュージカル『レイディ・イン・ザ・ダーク』で脚光を浴び、特に『チャイコフスキー（とその他のロシア人）』のパフォーマンスで高い評価を受けました。この才能に目をつけた映画製作者サミュエル・ゴールドウィンの誘いにより、彼は映画界への道を歩み始め、1944年には『ダニー・ケイの新兵さん』で映画デビューを果たします。その後『ホワイト・クリスマス』や『五つの銅貨』など、数多くの作品でブレイクし、彼の特徴的な早口な歌唱やコミカルな演技は観客に愛されました。
野球と私生活
興味深いことに、ダニー・ケイは1977年から1981年の間、メジャーリーグのシアトル・マリナーズの共同オーナーでもありました。彼の多才ぶりは演芸に留まらず、スポーツにも及んでいました。
ユニセフ親善大使活動
ダニー・ケイは1954年からユニセフの親善大使として活動を開始し、死去するまでその職務に尽力しました。その貢献は広く評価され、特にアカデミー賞では特別賞を受賞しました。彼は映画からテレビのバラエティ番組やブロードウェイミュージカルへと活躍の場を広げ、『ダニー・ケイ・ショー』では1963年度エミー賞を受賞しています。さらに、様々なチャリティショーにも参加し、世界中で福祉に貢献しました。
日本に足を運ぶことも多く、福祉施設を訪問して回ったことは記録に残っています。こうした活動を公にすることなく、彼の姿勢は多くの人々に感銘を与えました。
音楽活動
ダニーはまた音楽活動にも挑戦し、指揮者としても知られています。楽譜を読むことができなかった彼ですが、1973年にはストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団に客演し、大きな成功を収めました。また、1981年にはニューヨーク・フィルハーモニックとの共演が語り草です。この際には彼のコミカルな演技が聴衆を楽しませました。
死去
1987年3月3日、ロサンゼルスで心臓発作によって76歳で亡くなりました。彼はウエストチェスター郡ヴァルハラのケンシコ墓地に埋葬されました。ダニー・ケイはそのユニークな才能と人道的活動により、今でも多くの人々に記憶され続けています。
- ---
主な出演作品
- - ホワイト・クリスマス
- - 五つの銅貨
関連項目
さらに、ダニー・ケイの業績についてもっと知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。