ダニー・コーチマー

ダニー・コーチマー: アメリカのギタリストとソングライター

ダニー・コーチマー（Danny Kortchmar）は、1946年4月6日生まれのアメリカ合衆国出身の才能豊かなギタリスト、セッション・ミュージシャン、ソングライターです。彼は主に1970年代のシンガー・ソングライターのムーブメントにおいて、デビッド・クロスビー、キャロル・キング、グラハム・ナッシュ、カーリー・サイモン、さらにジェームス・テイラーといった著名なアーティストたちと共演し、そのサウンドの形成に重要な役割を果たしました。コーチマーの作品はジャクソン・ブラウンやドン・ヘンリーによっても取り上げられ、彼らのアルバムに多くの楽曲が収められています。

来歴

コーチマーの音楽活動が注目を集めるようになったのは、1960年代半ばに地元ニューヨークでザ・キング・ビーズやフライング・マシンといったバンドに参加し始めた時期です。このフライング・マシンには、まだ無名だったジェームス・テイラーも在籍していました。1966年にはイギリスへ渡り、セッション・ミュージシャンとしてのキャリアをスタートしました。1970年にはザ・ファッグスに加入し、彼らのアルバム『Tenderness Junction』に参加するものの、ベーシストのチャールズ・ラーキーとともに脱退し、キャロル・キングとのトリオ「ザ・シティー」を結成。1969年にはアルバム『夢語り（Now That Everything's Been Said）』をリリースしましたが、商業的には成功を収められませんでした。

バンド解散後も、コーチマーはキャロル・キングのバッキングを続け、1971年のアルバム『つづれおり』や、1971年リリースの『ミュージック』に参加しました。また、1970年にはジェームス・テイラーのアルバム『スウィート・ベイビー・ジェームス』での演奏も行い、この時期に彼は多くのアーティストから支持されるようになります。

自身のソロ活動も行い、1973年にはアルバム『Kootch』をリリース。その後1975年、アーティストとしても成功を収め、リンダ・ロンシュタットやウォーレン・ジヴォンのコンサートに参加しました。さらに、リーランド・スカラー、ラス・カンケル、クレイグ・ダーギーとともにザ・セクションとして活動し、1970年代には3枚のアルバムを発表しました。コーチマーは、ドン・ヘンリーやニール・ヤング、ビリー・ジョエルなど、さまざまなアーティストの作品にもプロデューサーやギタリストとして参加しました。

1984年の映画「スパイナル・タップ」のビデオ版では、コーチマーはロニー・プディングの役で出演し、エンターテインメント業界でもその存在感を示しました。2004年には新たなバンド「ミッドナイト・イレブン」を結成し、2005年にファースト・アルバムをリリースしました。その後もハンソンのアルバムにプロデューサーとして参加し続け、2006年にはザ・ヴァーブスの日本ツアーに参加するなど、精力的に活動を続けました。

2020年には、ザ・セクションのメンバーとともにイミディエイト・ファミリーと改名し、アルバム『Turn It Up to 10』をリリース。アメリカの音楽シーンに多大な影響を与えてきたダニー・コーチマーは、今後もその才能を発揮し続けることでしょう。

ディスコグラフィー

ソロ作品

• - 1973: Kootch (Warner Bros.)
• - 1980: Innuendo (Asylum)

参加グループ

• - 1969: The City / Now That Everything's Been Said (Ode)
• - 1970: Jo Mama / Jo Mama (Atlantic)
• - 1971: Jo Mama / J Is for Jump (Atlantic)
• - 1972: The Section / The Section (Warner Bros.)
• - 1973: The Section / Forward Motion (Warner Bros.)
• - 1977: The Section / Fork It Over (Capitol)
• - 2005: Midnight Eleven / Midnight Eleven

ダニー・コーチマーの価値ある業績は、彼の多彩な音楽性と共演したアーティストたちの多くによって証明されています。

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