つづれおり

キャロル・キング『つづれおり』：時代を超える名盤

『つづれおり』（Tapestry）は、シンガーソングライター、キャロル・キングが1971年2月10日に発表した2枚目のソロ・アルバムです。発表から半世紀以上経った今もなお、ロック史における重要な作品として評価され続けています。プロデュースはルー・アドラーが担当しました。

記録と評価

アメリカでは15週連続で1位を獲得し、その後約6年（306週）にわたってチャートに登場し続けるという驚異的な記録を打ち立てました。また、第14回グラミー賞では、最優秀アルバム賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル賞、最優秀レコード賞（「イッツ・トゥー・レイト」）、最優秀楽曲賞（「君の友だち」）の4部門を受賞。作品の質の高さと大衆からの支持を同時に証明しました。

ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500（2020年版）では25位にランクインし、VH1は2002年につづれおりをベストアルバムの39位に選出。2003年には、アメリカ議会図書館の全米録音資料登録簿に登録されるなど、文化的遺産としての価値も認められています。

楽曲について

キャロル・キングは、アルバム収録曲のすべてを単独または共同で制作しています。注目すべきは、「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」や「Will You Love Me Tomorrow?」など、他のアーティストによって既にヒットしていた楽曲も収録されている点です。これらの曲を自ら歌うことで、彼女は新たな魅力を引き出しました。また、元夫であるジェリー・ゴフィンとの共作も3曲含まれています。

ジェームス・テイラーがアルバムに参加しており、「You've Got a Friend(君の友だち)」をカバーし、全米1位を獲得する大ヒットを記録しました。

トリビュート・アルバム

1995年には、ロッド・スチュワート、フェイス・ヒル、ビージーズ、セリーヌ・ディオンなど、豪華アーティストが参加したトリビュート・アルバム『Tapestry Revisited: A Tribute to Carole King』が発表されました。キャロル・キング自身も制作に協力しており、このアルバムからも『つづれおり』が多くのミュージシャンに影響を与え続けていることがわかります。2003年にも、『A New Tapestry — Carole King Tribute』がリリースされています。

収録曲

Side 1

1. I Feel the Earth Move (空が落ちてくる)
2. So Far Away (去りゆく恋人)
3. It's Too Late (イッツ・トゥー・レイト) (作詞: Toni Stern)
4. Home Again (ホーム・アゲイン)
5. Beautiful (ビューティフル)
6. Way Over Yonder (幸福な人生)

Side 2

1. You've Got a Friend (君の友だち)
2. Where You Lead (地の果てまでも) (作詞: Toni Stern)
3. Will You Love Me Tomorrow? (ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー) (作詞・作曲: Gerry Goffin, Carole King)
4. Smackwater Jack (スマックウォーター・ジャック) (作詞・作曲: Gerry Goffin, Carole King)
5. Tapestry (つづれおり)
6. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman (ナチュラル・ウーマン) (作詞・作曲: Gerry Goffin, Carole King, Jerry Wexler)

CD再発版とレガシー・エディション

1999年のCD再発版には、未発表曲が2曲追加収録されています。2008年には、2枚組のレガシー・エディションが発売され、オリジナル版のリマスター音源に加え、1973年から1976年までのライブ音源を収録したボーナスディスクが付属しています。この豪華版には、詳細なライナーノーツと写真が掲載されたブックレットも同梱されています。

演奏者

キャロル・キングをはじめ、ダニー・コーチマー、ラス・カンケル、ジェームス・テイラー、ジョニ・ミッチェルなど、豪華ミュージシャンが参加しています。彼らの卓越した演奏が、『つづれおり』の魅力をさらに高めています。

プロダクション

ルー・アドラーがプロデューサーを務め、ヴィック・アネシーニ、ハンク・チカロ、ボブ・アーウィンらがエンジニアを担当しました。彼らの手によって、『つづれおり』は時代を超えて愛されるサウンドに仕上がりました。

『つづれおり』は、キャロル・キングの才能と魅力が凝縮された、まさに音楽史に残る傑作です。その普遍的なメッセージと美しいメロディーは、これからも多くの人々の心に響き続けることでしょう。

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