ダニー・マートー

ダニエル・エドワード・マートー

ダニエル・エドワード・マートー（1917年10月8日 - 1976年12月2日）は、アメリカのプロ野球界において、1940年代から1970年代にかけて特に優れた選手兼監督として知られています。ペンシルベニア州チェスターに生まれた彼は、右投げ右打ちの内野手としてキャリアをスタートさせました。彼は黄金期の「ザ・ファミリー」と称されるピッツバーグ・パイレーツの指揮を執り、1960年と1971年にワールドシリーズを制覇しました。メディアによっては、姓の表記が「マートウ」とされることもあります。

現役時代

マートーは1937年にセントルイス・カージナルスと契約しましたが、同球団では昇格の機会がありませんでした。1941年にはフィラデルフィア・フィリーズに移籍し、約85試合に出場。その初年度に18盗塁を記録し、リーグ最多の成績を収めました。しかし、第二次世界大戦の影響で一時キャリアを中断しましたが、1946年には再びフィリーズで主に二塁手としてプレーを再開しました。

1947年にはボストン・ブレーブスに移籍し、1948年にはピッツバーグ・パイレーツに加わります。この年、彼は打率.290と71打点という驚異的な成績を上げ、自身のキャリアの中でも特に顕著なパフォーマンスを示しました。さらには、その年のMVP候補にも選ばれましたが、受賞はスタン・ミュージアルに譲ります。

監督時代

1951年に現役を引退したマートーは、マイナーリーグで監督職を経験した後、1956年にコーチとしてパイレーツに戻ります。同年途中から監督としてチームを指揮し始めました。この段階から、パイレーツは1960年に1927年以来のリーグ優勝を達成し、さらに1925年以来35年ぶりとなるワールドシリーズ制覇を果たしました。

だが、1960年代に入ってからの数年間は、勝ち越せないシーズンが続き、マートーは健康上の問題から1964年に一度監督を退くこととなります。その後、球団のフロントでの活動に従事しましたが、1967年には成績不振により再び監督に復帰します。この際には、再度の監督復帰を行う前に医療チェックを受けたことが特徴です。

1970年には復帰したチームが活性化し、ナショナルリーグ東地区で優勝し、1971年にはロベルト・クレメンテなどの選手たちの活躍により、再度ワールドシリーズを制覇しました。興味深いことに、このチームはメジャーリーグ初のアフリカ系アメリカ人および中南米出身の選手だけで構成された「オール・マイノリティ・ラインナップ」を形成したことでも注目されました。

その後もマートーは1976年までパイレーツを指導し、チームはこの間に4度の地区優勝を果たし、栄光を手にしました。

最後の日々と功績

マートーは1976年のシーズン終了後、脳卒中により59歳で急逝しました。彼の死後、パイレーツは1977年に彼の背番号『40』を永久欠番に指定し、その功績を称えました。

通算成績

• - 盗塁王：1941年
• - 記録：刺殺数・補殺数・併殺数（二塁手）リーグ最多：1948年

マートーの功績は、彼の名声とともに今なお野球界で語り継がれています。

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