ダフ＝ゴードン準男爵

ダフのちダフ＝ゴードン準男爵は、1813年にジェイムズ・ダフが叙位されたことに始まる連合王国準男爵位です。この準男爵位は、アイルランド貴族ファイフ伯爵ダフ家の分流に与えられました。

初代準男爵ジェイムズ・ダフ(1734-1815)は、1813年11月12日に「アバディーン州におけるハルキンの」準男爵として叙されました。彼には子供がいなかったため、甥のウィリアム・ダフ＝ゴードン(1772–1823)が特別継承者とされました。

2代準男爵となったウィリアム・ダフ＝ゴードンは、初代準男爵ジェイムズ・ダフの妹アン・ダフと、第2代アバディーン伯爵ウィリアム・ゴードンの五男であるロックヴィル卿アレグザンダー・ゴードンの次男でした。彼は1813年にゴードン姓からダフ＝ゴードン姓に改姓しました。

ウィリアムの死後、息子のアレグザンダー・コーンウォール・ダフ＝ゴードン(1811–1872)が3代準男爵を継承し、さらにその息子のモーリス・ダフ＝ゴードン(1849–1896)が4代準男爵となりました。モーリスには男子がいなかったため、彼の死後、2代準男爵からの分流であるコズモ・エドムンド・ダフ＝ゴードン(1862–1931)が5代準男爵を継承しました。コズモ・エドムンド・ダフ＝ゴードンとその妻ルーシー(1863–1935)は、1912年4月のタイタニック号の処女航海に乗り合わせましたが、沈没事故から生還しました。しかし、その際の行動が卑劣であるとして、帰国後に批判を浴びました。

5代準男爵には子供がいなかったため、弟のヘンリー・ウィリアム・ダフ＝ゴードン(1866–1953)が6代準男爵を継承しました。ヘンリーの死後、息子のダグラス・フレデリック・ダフ＝ゴードン(1892–1964)が7代準男爵、そしてその息子のアンダーリュー・コズモ・ルイス・ダフ＝ゴードン(1933-)が8代準男爵となりました。2023年現在、アンドリューが当主を務めています。

歴代準男爵は以下の通りです。

初代準男爵：サー・ジェイムズ・ダフ (1734-1815)
2代準男爵：サー・ウィリアム・ダフ＝ゴードン (1772–1823) - 初代の甥
3代準男爵：サー・アレグザンダー・コーンウォール・ダフ＝ゴードン (1811–1872) - 2代の息子
4代準男爵：サー・モーリス・ダフ＝ゴードン (1849–1896) - 3代の息子
5代準男爵：サー・コズモ・エドムンド・ダフ＝ゴードン (1862–1931) - 4代の従兄弟
6代準男爵：サー・ヘンリー・ウィリアム・ダフ＝ゴードン (1866–1953) - 5代の弟
7代準男爵：サー・ダグラス・フレデリック・ダフ＝ゴードン (1892–1964) - 6代の息子
8代準男爵：サー・アンドリュー・コズモ・ルイス・ダフ＝ゴードン (1933-) - 7代の息子

現在の法定推定相続人は、現当主の息子であるコズモ・ヘンリー・ヴィリアーズ・ダフ＝ゴードン (1968-)です。

参考文献：
バトラー, ダニエル・アレン 著、大地舜 訳『不沈 タイタニック 悲劇までの全記録』実業之日本社、1998年。ISBN 978-4408320687。

関連項目：
ファイフ公爵（ファイフ伯爵) - 初代準男爵の本家筋
* アバディーン＝テメイア侯爵（アバディーン伯爵） - 2代準男爵以降の本家筋

もう一度検索