アバディーン＝テメイア侯爵

アバディーン＝テメイア侯爵

アバディーン＝テメイア侯爵（Marquess of Aberdeen and Temair）は、連合王国貴族の爵位であり、その歴史は17世紀に遡ります。この爵位は、スコットランドのハッドーのゴードン準男爵とアバディーン伯爵を前身とし、1916年に第7代アバディーン伯爵ジョン・ハミルトン＝ゴードンが叙爵されたことに始まります。

歴史

ハッドーのゴードン準男爵

その起源は、1642年8月13日にジョン・ゴードン（1610–1644）が叙された「カウンティ・オブ・アバディーンにおけるハッドーのゴードン準男爵」に遡ります。ジョン・ゴードンは、ピューリタン革命期に王党派の指揮官として活躍しましたが、長老会派のアーガイル侯爵アーチボルド・キャンベルに捕らえられ、処刑されました。

アバディーン伯爵

ジョンの三男である第3代準男爵ジョージ・ゴードン（1637–1720）は、スコットランド議会の議員、スコットランド民事控訴院裁判長、スコットランド大法官などを歴任し、1682年11月30日に「アバディーン伯爵」、「フォーマーティーン子爵」、「ハッドー=メスリク=タービス=ケリー卿」に叙せられました。これらの爵位はすべてスコットランド貴族爵位です。

連合王国貴族への移行

4代アバディーン伯ジョージ・ハミルトン＝ゴードン（1784–1860）は、ロバート・ピール亡き後のピール派の領袖として、1852年12月から1855年1月までイギリス首相を務めました。彼は平和外交家として知られていますが、連立政権の事情からクリミア戦争に参戦したことでも知られています。1814年6月1日には、連合王国貴族爵位である「カウンティ・オブ・アバディーンにおけるアバディーンのゴードン子爵」に叙せられ、以降の当主は貴族院議員に列することとなりました。また、彼は1818年に勅許を得て、母方の姓を加えて「ハミルトン＝ゴードン」に改姓しました。

アバディーン＝テメイア侯爵の創設

7代アバディーン伯ジョン・ハミルトン＝ゴードン（1847–1934）は、アイルランド総督（1886年、1905年-1915年）やカナダ総督（1893年-1898年）を歴任し、1916年1月4日に「アバディーン＝テメイア侯爵」と「アバディーン州におけるハッドー伯爵」に叙せられました。これらの爵位は、いずれも連合王国貴族です。彼の子供たちの代から姓は「ゴードン」に戻りました。

現在の当主は、初代侯の玄孫にあたる8代アバディーン＝テメイア侯爵ジョージ・ゴードン（1983-）です。

一族の本邸は、アバディーンシャーにあるハッドー・ハウスでしたが、同屋敷は1979年以降、スコットランド・ナショナル・トラストの所有となっています。

現当主の保有爵位

現当主である第8代アバディーン＝テメイア侯爵ジョージ・ゴードンは、以下の爵位を保有しています。

第8代アバディーン＝テメイア侯爵
第14代アバディーン伯爵
第8代アバディーン州におけるハッドー伯爵
第14代フォーマーティン子爵
第11代ゴードン子爵
第14代ハッドー=メスリク=タービス=ケリー卿
第16代（ハッドーの）準男爵

法定推定相続人は、現当主の息子であるハッドー伯爵（儀礼称号）アイヴォ・アレクサンダー・ニニアン・ゴードン（2012-）です。

爵位保持者一覧

ハッドーのゴードン準男爵 (1642年)
アバディーン伯爵 (1682年)
アバディーン＝テメイア侯爵 (1916年)

関連項目

スタンモア男爵：4代アバディーン伯爵からの分流。1893年創設。1957年絶家。
ダフ＝ゴードン準男爵：2代アバディーン伯爵からの分流。1813年創設。現存。

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