ダブリン・コノリー駅

ダブリン・コノリー駅：アイルランド鉄道の中心

ダブリン・コノリー駅は、アイルランドの首都ダブリン市1区、アミアン通りに位置する主要な鉄道駅です。アイルランド国鉄（Iarnród Éireann）とルアス（Luas）が乗り入れており、アイルランドの鉄道ネットワークにおける重要な拠点となっています。駅の通称は「コノリー駅」で、地元の人々からは「コノリー」と呼ばれることもあります。

駅の概要

ダブリン・コノリー駅は、ダブリンの主要なターミナル駅の一つであり、アイルランド国内の鉄道網の中心として機能しています。1844年に「ダブリン駅」として開業し、2018年には1日平均38,804人の乗降者数を記録し、アイルランドで最も利用者の多い鉄道駅となりました。長距離列車のインターシティは、北方面のドロヘダ、ダンドーク、南方面のウェックスフォード、ロスレアへ向かいます。コミューター（ダブリン通勤列車）やダブリン高速輸送（DART）などの近郊列車も多数運行されており、イギリスの北アイルランド、ベルファストへ向かう国際列車エンタープライズも当駅から発車します。

DARTを含むダブリン郊外のすべての列車は、駅構内にある列車集中制御装置（CTC）によって管理されています。CTCは自動化されており、信号、踏切、電気制御、電源装置などを監視・制御しています。通常は担当者が配置されていますが、緊急時には運行を継続できる緊急制御室も備えています。

駅舎はイタリア風の建築様式で、アイルランド国鉄の本社としても使用されています。2004年からは、ルアスのレッドラインの終着停留場も開業し、駅の利便性はさらに向上しました。

歴史

1844年11月29日、ダブリン・ドロヘダ鉄道によって「ダブリン駅」として開業しました。10年後の1854年には、駅の所在地から「アミアン・ストリート駅」に改称されました。当初はドロヘダへの単一路線のみを運行していましたが、1853年にはベルファストへの運行を開始しました。1891年には、ダブリン市・ジャンクション鉄道が当駅から南方面のウェストランド・ロウ駅（現在のダブリン・ピアース駅）に接続しました。

1966年、イースター蜂起50周年を記念して、アイルランドの革命家で社会主義者のジェームズ・コノリーにちなみ、「ダブリン・コノリー駅」に改称されました。1984年7月23日のダブリン高速輸送（DART）開業時には、ダブリン市・ジャンクション鉄道の出入り口が改修され、第2コンコースが建設されました。1999年には駅の大規模な改修が行われ、プラットホームの屋根が交換され、メインコンコース、カフェ、売店などが新設されました。2004年9月26日には、ルアスレッドラインのコノリー停留場が駅前に開業しました。2007年3月12日にはドックランズ駅が開業し、一部路線の起点が変更されました。

駅の構造

ダブリン・コノリー駅は、アイルランド国鉄とルアスの駅で構成されています。

アイルランド国鉄

終端屋内ホームに島式3面4線、中間屋外ホームに島式2面2線の計4面7線のホームを持つ高架駅です。構内には車両基地であるダブリン・コノリー検車区があり、当駅を発着する列車が多く設定されています。改札口は2階にあり、地上との間にはエスカレーターとエレベーターが設置されています。駅構内にはカフェ、レストラン、売店などがあり、無料Wi-Fiスポットも利用できます。

ルアス

アイルランド国鉄の駅舎の南に設置されている、レッドラインの北部の終着点のひとつです。相対式ホーム2面2線で、タラ方面、サガート方面のレッドラインが乗り入れています。ルアスのプラットホームからエスカレーター、エレベーターで、アイルランド国鉄の駅舎へ直通できます。

利用状況

早朝は、ダブリン近郊からの通勤・通学客の利用が多く、夕方になると、ダブリン近郊への帰宅客で賑わいます。ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン（アイルランド国立大学ダブリン校）やダブリン・ヒューストン駅へ向かうため、ルアスレッドラインに乗り換える乗客も多くいます。2018年度の1日平均乗降人員は38,804人で、アイルランド国鉄の駅では最も多い利用者数です。

駅周辺

駅の南側にはバスターミナルがあり、長距離バスなどが発着します。駅周辺には税関ビル、中央郵便局などの行政機関や、EPICアイルランド移民博物館などの施設があります。クローク・パークの最寄り駅でもあります。

今後の計画

駅周辺の東部エリアを再開発する計画があり、オフィスビル、アパート、ホテル、小売店、レストラン、保育所などが建設される予定です。

ダブリン・コノリー駅は、アイルランドの鉄道輸送において重要な役割を果たしており、今後もその役割はさらに大きくなることが期待されます。

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