ダンジョン (雑誌)

ダンジョン・アドベンチャーズ：冒険を彩るシナリオ専門誌

『ダンジョン・アドベンチャーズ』は、[ロールプレイングゲーム]]、特にダンジョンズ&ドラゴンズ]のプレイヤーと[ゲームマスター]に向けた冒険シナリオ専門[[雑誌です。1986年にTSR社から隔月刊誌として創刊され、後に月刊化されましたが、2007年に印刷版は終了し、現在はウィザーズ・オブ・ザ・コーストによってオンラインで提供されています。姉妹誌には、より広範な話題を扱う『ドラゴン』誌がありました。

概要

本誌の特徴は、各号に掲載された、すぐにゲームで使用できる完成された冒険シナリオ（モジュール）です。GMはこれらのシナリオをそのまま使用することも、自身のキャンペーン設定に合わせて調整することもできました。アイデア、仕掛け、プロット、敵、クリーチャー、イラスト、地図、キャラクターの台詞など、ゲームセッションの準備に必要な要素が豊富に提供され、GMの負担を軽減することを目的としていました。標準的なモジュールと比較して安価でありながら、複数のシナリオが掲載されている点も人気の理由の一つでした。

TSR時代

『ダンジョン・アドベンチャーズ』は、『ドラゴン』誌107号（1986年3月）で初めて言及されました。当時の名称は未定でしたが、「モジュール満載の新雑誌」として、定期購読でのみ入手可能であり、1986年の晩夏か初秋に創刊予定で、隔月発行と告知されました。

初代編集長のロジャー・E・ムーアは、本誌の基本方針について以下のように述べています。「読者の皆さんが自身のAD&DやD&Dゲーム用のアドベンチャーやシナリオを、ファンタジーゲーム愛好家と共有するための新たな定期刊行誌です。各号には、我々が入手可能な中で最も良いと思われる、短くとも非常に複雑で長く遊べるモジュールを提供します。ダンジョン探索、荒野での野営、オリエンタル・アドベンチャーズのモジュール、ソロクエスト、トーナメント企画など、可能な限り幅広い題材を取り扱う予定です。」

創刊号には号数が記載されていませんでしたが、2号の表紙には「1986年11月／12月号」と印刷されていました。内容は、アマチュアおよびプロのファンタジーロールプレイング作家による、D&DやAD&Dゲーム用の様々な長さ、主題、基調を持つアドベンチャーで構成されていました。

ケン・ロルストンは、『ドラゴン』誌125号で本誌の創刊について短い論評を寄せ、「モジュールは多数で愉快であり、D&Dゲームの基本的な面白さに満ちている」と述べ、自身がゲーム大会や昔のモジュールを遊んだ時の楽しさを思い起こさせると語りました。さらに、アンソロジー形式であるため、執筆者たちが「素晴らしい小篇を発表」でき、「新人に良い訓練の場」を提供し、「風変わりな主題と基調を実験する機会」を与えていると評価しました。

パイゾ／ポリヘドロン時代

2002年末、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、ノンコア事業から撤退する戦略の一環として、パイゾ・パブリッシングに『ダンジョン』誌と『ドラゴン』誌の出版権を譲渡しました。

2002年1月から2004年6月まで、『ダンジョン』誌はロールプレイングゲームアソシエーションの会報誌『ポリヘドロン』を統合し、単一の雑誌として発行されました。『ポリヘドロン』のセクションには、ファンタジー以外のジャンルのd20システム用ミニゲームが掲載されていました。

2004年9月、編集長のエリック・モナは構成を変更し、『ポリヘドロン』のセクションを廃止してダンジョンズ&ドラゴンズに焦点を当てることとしました。各号には、低、中、高レベルのキャラクター向けに3つのアドベンチャーが掲載され、さらに、掲載されたアドベンチャーの設定に関する詳細情報など、役立つ記事が掲載される号もありました。また、モンテ・クックが執筆するコラム「ダンジョンクラフト」や、様々なテーマに関する短い記事を集めた「キャンペーン・ワークブック」のコーナーも設けられました。

2007年4月18日、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、同年9月でパイゾによる『ダンジョン』誌の出版を終了することを発表しました。ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのD&Dブランドマネージャーであるスコット・ラウスは、「今日、人々は情報を得るためにインターネットを活用している。オンラインモデルに移行することで、世界中のファンに利用してもらうことができる」と述べています。

ダンジョン・オンライン

2008年6月のダンジョンズ&ドラゴンズ第4版の発売と同時に、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、『ダンジョン』誌と『ドラゴン』誌のオンライン版を収録した、サブスクリプション制のウェブサイトを開設しました。この新たな形式でも、GM向けの情報やアドバイス、様々な長さとレベルのアドベンチャーを提供するという方針は維持されました。ジェームズ・ワイアットが執筆する「ダンジョンクラフト」などの主要なコラムは継続され、以前の『ドラゴン』誌に掲載されていたGM向けの（「セイブ・マイ・ゲーム」のような）記事が、『ダンジョン』誌をGMのための「総合ショップ」とするために移植されました。記事とアドベンチャーを画面上で読みやすくするために横長形式に移行し、コンテンツは毎日公開され、毎月PDFファイルにまとめられました。2011年5月には、毎月1つの号にまとめる編集を中止し、記事を個別に公開する形式に変更されました。

アドベンチャー・パス

2003年以降の『ダンジョン』誌の注目すべき特徴として、「アドベンチャー・パス」と呼ばれる連続アドベンチャーの活用が挙げられます。これらは、プレイヤーキャラクターのグループを冒険の初期（1レベル）からエピックレベル（20レベル以上）まで導くように設計されました。「シャックルド・シティ」、「エイジ・オブ・ウォームス」、「サベージ・タイド」、「スケールズ・オブ・ウォー」の4つのアドベンチャー・パスが発表されました。また、これらの後続号では、いくつかの短いキャンペーンシリーズ（通常3部構成）や、拡張可能なアドベンチャーシリーズ、寄り道的なアドベンチャーが掲載されました。「シャックルド・シティ」アドベンチャー・パスは、後に改訂、修正、新たな背景情報、シリーズ開始直後の欠落を埋める特典アドベンチャーが追加され、ハードカバー本として出版されました（2005年8月）。

受賞

1990年：オリジン賞　1989年最優秀アドベンチャーゲーム商業雑誌
1991年：オリジン賞　1990年最優秀アドベンチャーゲーム商業雑誌
2002年：エニー賞　最優秀補助製品／アクセサリー
2005年：エニー賞 for 最優秀カートグラフィ地図作成（「ワールド・マップ・オブ・グレイホーク」、118-121号）、 最優秀アドベンチャー（「マウレ・キャッスル」、112号）、最優秀補助製品／アクセサリー（ダンジョン 誌)、最優秀無料製品／ウェブ・エンハンスメント（地図とハンドアウト、114-122号）
2006年：エニー賞　最優秀地図作成、最優秀アドベンチャー、最優秀キャンペーン設定／設定サプリメント（シャックルド・シティ アドベンチャー・パス);最優秀無料製品／ウェブ・エンハンスメント(エイジ・オブ・ウォームス オーバーロード）
2007年：オリジン賞　2006年最優秀フィクション出版物
2007年：エニー賞　最優秀無料製品（サベージ・タイド プレイヤーズ・ガイド)

『ダンジョン・アドベンチャーズ』は、数々の賞を受賞し、ロールプレイングゲーム界に多大な貢献をしました。

外部リンク

ウィザーズ・オブ・ザ・コースト - Dungeons & Dragons RPG Homepage: Dungeon Master
パイゾ・パブリッシング - Products, resources, news, and message boards for Dungeon Adventures
RPGnet - Partial catalogue of Dungeon Adventures issues with cover images, content descriptions, and user reviews and comments
* Unofficial indices of adventure modules: 1-71号（基本リスト） and 1-139号（検索可能）

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