ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版

ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版（D&D4版）

ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版（D&D4版）は、世界的に有名なテーブルトークRPG（TRPG）である「ダンジョンズ&ドラゴンズ」（D&D）シリーズのルールバージョンの一つです。2008年にアメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト（WotC）社から発売され、日本では株式会社ホビージャパンによって翻訳・発売されました。

D&D4版は、アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ（AD&D）とは異なる系譜のシステムであり、クラシックD&Dとは区別されます。

概要

D&D4版は、それまでのD&D第3版/第3.5版からルールを大幅に変更して登場しました。第3版はAD&Dのルールを整理・簡略化・拡張したものでしたが、データと選択ルールの膨大化により、システムの複雑化を招いていました。

D&D4版では、d20システムを根本から見直し、第3版とはほぼ別のシステムとして再設計されました。プレイヤーキャラクター（PC）の能力はクラス単位で与えられるようになり、クラスに依存しないデータが削減されました。これにより、プレイヤーが参照するルールやデータがサプリメントに分散しすぎるのを防ぐように配慮されています。

日本では2008年12月から日本語版が展開され、アメリカ本国との時間差は少なくなりました。第4版の展開開始と同時に、第3版/第3.5版の日本語版製品は全て販売終了となりました。

ルール面の特徴

D&Dシリーズ全体に共通する要素は、ダンジョンズ&ドラゴンズの項目を参照してください。ここではD&D第4版に見られる特徴を記述します。

キャラクター

種族: エラドリン、エルフ、ティーフリング、ドラゴンボーン、ドワーフ、ハーフエルフ、ハーフリング、ヒューマンなどが基本的な種族として存在します。
役割: 全てのクラスは「撃破役」「防御役」「制御役」「指揮役」の4種類の役割に分類され、同じ役割のクラスは類似した特徴を持ちます。パーティーは4種類の役割を全て揃えることが推奨されます。
クラス: レンジャー、ローグ、ウォーロック、ファイター、パラディン、ウィザード、クレリック、ウォーロードなどの基本的なクラスがあります。
マルチクラス: D&D4版では、原則として一人のプレイヤーキャラクターが得られるクラスは一種類のみです。マルチクラスは「別のクラスのパワーを限定的に習得する」という形で表現されます。
パワー: 各クラスには「パワー」と呼ばれる特殊能力が多数存在し、キャラクターのレベルに応じて習得できます。パワーには使用制限（無制限、遭遇毎、1日1回）があります。
パワー源: 各クラスは「武勇」「秘術」「信仰」などの「パワー源」を持ち、使用するパワーのエネルギー源を表します。
儀式: 儀式は、時間とお金をかけて学習する特殊な能力です。習得した儀式は、事前に使用するものを選択しておく必要があります。
特技: 特技は、キャラクターの能力を恒久的に向上させるもので、特定のクラスや種族に限定されるものがあります。
アライメント: PCが選択できるアライメントは、「秩序にして善」「善」「中立」「悪」「混沌にして悪」の5種類です。
伝説の道/神話の運命: 11レベル以降は「伝説の道」、21レベル以降は「神話の運命」を選択することで、キャラクターの成長方向を特化させることができます。
セーヴィング・スロー: 毒や酸などの継続ダメージに対する判定に使用されます。特殊攻撃の回避は「防御値」によって判定されます。

行為判定

行為判定は、20面体ダイス（1d20）を使用する上方判定に統一されています。戦闘時の命中判定や、技能を使用した戦闘以外での行為判定も同様です。

戦闘

防御値: 「頑健」「反応」「意志」が防御値として追加され、攻撃の目標値として使用されます。
ヒットポイント（HP）回復: 「回復力」を消費することでHPを回復できます。クレリックなどの支援により、回復力の使用を瞬間的に行うことも可能です。
機会攻撃: 第3版から引き継がれた概念で、敵の行動を制限します。
マーク: 敵の攻撃を自分に集中させるための概念で、防御役クラスが持つことが多いです。

その他

遭遇: シナリオ中のイベントを「遭遇」という単位で管理します。遭遇の終了時には「小休憩」を挟み、パワーの使用回数や回復力を回復できます。

ラインナップ

基本ルールブック、基本ルールブック拡張、サプリメント、シナリオ集、エッセンシャルズなど、様々な製品が展開されています。

もう一度検索