ダービー (ミサイル)

ダービーミサイルについて

ダービーはイスラエルのラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ社によって開発された視程外射程ミサイルであり、その技術的な基盤はパイソン5短距離空対空ミサイルにあります。このミサイルはアクティブ・レーダー・ホーミング誘導方式を用い、中距離までの空対空攻撃が可能です。

開発の歴史

ダービーの開発は1980年代の初めに始まり、1990年代半ばにはその存在が公にされました。1998年からは実際に運用が開始され、現在では6つの国で採用されています。2015年にはさらなる改良が施されたI-ダービーと、射程が延長されたI-ダービーERが発表されました。

特徴と設計

ダービーの最大の特徴は、その軽量化された設計で、4つの主翼と尾翼を備えています。これにより、高い機動性と運用の柔軟さが確保され、マルチショット機能も実現されています。弾体に装備されたシーカーのレーダーはルックダウン/シュートダウン機能を搭載しているため、地平線下あるいはライン上に位置する目標を攻撃することができます。

このシーカーにはオフボアサイト攻撃能力があり、ヘッドマウントディスプレイとの連動により発射前ロックオン（LOBL）や射出後ロックオン（LOAL）が可能です。さらには中間誘導を行わない場合には、ファイア・アンド・フォーゲット機能を有し、敵の電子戦に対応するためのプログラマブルECCM機能も選択可能です。弾頭には23kgの高爆発断片化（HE-FRAG）弾頭が搭載されており、非装甲目標や軽素材の目標に効果的です。

2015年に発表されたI-ダービーでは、シーカーが再プログラム可能なソフトウェア定義シーカー（SDR）に置き換えられました。この技術により、進化する脅威に対してソフトウェアのアップデートによる対応が可能となるのです。また、I-ダービーERは、デュアルパルスブースターを装備&射程を100km以上に延長し、コスト面でも大きな競争力を持つことを目指しています。

派生型

ダービーにはSPYDER（Surface-to-air PYthon and DERby）という地対空ミサイルシステムがあり、エアデフェンスにおいて重要な役割を果たします。また、ダービーMRというモデルもあり、こちらはブースターを装備することで射程をさらに延長しています。

対応機種

このミサイルは多くの航空機に搭載可能で、代表的な機種には以下があります。

• - F-5EM/FM
• - タイガーIII
• - F-16 (Block 52)
• - クフィル
• - シーハリアー FRS.51（インド海軍機）
• - テジャス

採用国

ダービーはさまざまな国で採用されています。主な採用国は以下の通りです。

• - アルゼンチン：2003年に60発を購入。
• - イスラエル：開発国。
• - エクアドル：2003年に60発を購入。
• - コロンビア：2010年に40発を購入。

このように、ダービーはその技術力と性能により、多数の国に採用され、国際的なミサイル市場でも重要なポジションを占めています。

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