チアゴ・サントス

チアゴ・サントス（Thiago Santos）は、1984年1月7日生まれ、ブラジル・リオデジャネイロ出身の男性総合格闘家です。その異名「マヘタ」（ポルトガル語で大型ハンマーの意）は、彼の胸部から腹部にかけて彫られた大型ハンマーのタトゥーに由来します。タタ・ファイトチーム／アメリカン・トップチームに所属し、数々の激闘を繰り広げてきました。

生い立ちと格闘技との出会い

リオデジャネイロの貧困街で生まれたサントスは、幼少期に胃の悪性嚢胞による闘病生活を経験しました。さらに、大規模な洪水で家を失い、一時ホームレス生活を送るなど、困難な環境で育ちました。その後、治安の悪い地域に移住し、厳しい生活を送る中で、カポエイラを8年間学び、ムエタイやブラジリアン柔術も習得しました。2010年にプロ総合格闘技デビューを果たしました。

The Ultimate FighterとUFC参戦

2013年、リアリティ番組「The Ultimate Fighter Brazil 2」に参加し、ファブリシオ・ヴェウドゥム率いるチームに所属。ウェルター級トーナメントで1回戦を勝利するも、2回戦で敗退しました。同年8月、UFCに初参戦するも、初戦は一本負けで黒星デビューとなりました。しかし、2014年3月にはTKO勝利でUFC初勝利を挙げ、その後もKO勝利を重ね、その圧倒的な攻撃力で観客を魅了しました。

2016年にはミドル級ランキング8位の選手との対戦でTKO負けを喫しましたが、その後もパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを複数回受賞するなど、常に激戦を繰り広げました。特に2017年には右スピニングヒールキックでダウンを奪い、TKO勝利を飾るなど、その攻撃の多彩さを見せつけました。

ライトヘビー級転向とタイトル挑戦

2018年9月、ライトヘビー級に転向。転向初戦をTKO勝利で飾ると、その後も連勝を重ね、ライトヘビー級ランキング上位に躍り出ました。2019年2月には、当時のライトヘビー級ランキング4位の選手をKOで下し、勢いに乗りました。

2019年7月、UFC世界ライトヘビー級タイトルマッチで王者ジョン・ジョーンズに挑戦。善戦したものの、判定負けで王座獲得はなりませんでした。しかし、ジョーンズに初のスプリット判定を与えたことで、その実力を証明しました。この試合でサントスは左膝の複数の靭帯断裂と右膝の靭帯部分断裂という重傷を負い、手術とリハビリを余儀なくされました。

怪我からの復帰とPFLへの移籍

約1年4ヶ月ぶりの復帰戦では一本負けを喫し、その後も連敗を経験しましたが、2021年10月には判定勝ちを収めました。しかし、その後は再び連敗を喫し、2022年8月にはTKO負けを喫しました。その後、UFCを離脱し、PFLと契約。2023年4月にPFL初参戦を果たすも、判定負けとなりましたが、後に相手選手のドーピング違反によりノーコンテストに変更されました。2024年2月には、PFL vs. Bellator: Champsで判定負けを喫しています。

人物像とエピソード

サントスは、貧しい家庭の子供たちに無料の総合格闘技トレーニングを提供する非営利組織を運営しており、慈善活動にも熱心です。また、ブラジル軍のパラシュート部隊に在籍していた経歴も持っています。以前交際していたガールフレンドとの間に息子がおり、現在は同じく総合格闘家のヤナ・クニツカヤと結婚し、娘をもうけています。

戦績と表彰

UFCでは4回のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトと3回のファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞するなど、数々の激闘を繰り広げてきました。その戦績は、MMAの記録サイト「SHERDOG」で確認できます。

チアゴ・サントスは、逆境を乗り越え、常に挑戦し続ける姿勢で、多くの人々に勇気を与え続けています。彼の今後の活躍から目が離せません。

もう一度検索