チアゴ・シウバ (格闘家)

チアゴ・シウバ（Thiago Silva、1982年11月12日 - ）は、ブラジル・サンパウロ出身の男性総合格闘家です。ブラックジリアンズに所属し、元ACBライトヘビー級王者という実績を持っています。

生い立ちと格闘技との出会い

13歳の時に家庭内暴力を理由に家出し、18歳で格闘技を始めるまでサンパウロのスラムで生活していました。この過酷な環境が、彼のハングリー精神を育んだと言えるでしょう。

プロデビューとパンクラス参戦

2005年9月にブラジルでプロデビューし、2006年11月にはFury FCの93kg級グランプリで優勝を果たします。その後、2007年2月にはパンクラスにBodogFight派遣選手として初参戦。水野竜也選手とのヘビー級王座次期挑戦者決定戦では、サッカーボールキックでKO勝利を収めました。しかし、UFCとの契約が成立したため、アルボーシャス・タイガー選手との王座戦はキャンセルとなりました。

UFCでの活躍とトラブル

2007年5月、UFC71でジェームス・アーヴィン選手を相手にUFCデビューを飾ります。アーヴィン選手の負傷によるTKO勝利で幸先の良いスタートを切りました。その後も連勝を重ねましたが、2009年1月にはリョート・マチダ選手にKO負けを喫し、デビューからの連勝は13でストップ。その後、キース・ジャーディン選手にTKO勝利を収めるも、ラシャド・エヴァンス選手に判定負けを喫するなど、波に乗れない時期もありました。

2011年1月にはブランドン・ヴェラ選手に判定勝利しましたが、試合後の薬物検査をごまかす不正行為が発覚し、試合結果が無効に。さらに、1年間の試合出場停止処分を受けるという不祥事を起こしてしまいます。2012年11月にはスタニスラブ・ネドコフ選手に一本勝ちしましたが、またしても薬物検査で禁止薬物であるマリファナの代謝物質が検出されたため、試合結果が無効となり、UFCから6か月の試合出場停止処分を受けました。

2014年には、パブロ・ポポヴィッチ柔術道場への襲撃事件に関与したとして逮捕され、UFCから一時的に永久追放されました。その後、訴訟が取り下げられ無罪となったことでUFCに復帰しましたが、元妻を銃で脅している動画が公開されたことで再びUFCから追放されるという、度重なるトラブルに見舞われました。

WSOFでの復帰とその後

2015年3月、WSOF 19で1年6か月ぶりに復帰し、テディ・ホルダー選手と対戦しましたが、TKO負けを喫しました。

人物像とエピソード

チアゴ・シウバ選手は、兄弟子であるヴァンダレイ・シウバ選手を最も尊敬する人物として挙げています。また、両腕に和彫りの刺青を入れていることでも知られています。

戦績

チアゴ・シウバ選手は、Fury FC 93kg級グランプリ優勝（2006年）と第2代ACBライトヘビー級王座（2017年）を獲得。UFCではファイト・オブ・ザ・ナイトとノックアウト・オブ・ザ・ナイトをそれぞれ1回ずつ獲得しています。

総括

チアゴ・シウバ選手は、その実力と実績はさることながら、数々のトラブルによってそのキャリアは波乱に満ちています。スラムで育ったハングリー精神と、格闘技への情熱は確かなものでしたが、その一方で、自制心の欠如が、数々の問題を引き起こしたと言えるでしょう。彼の人生は、成功と挫折、そして人間としての弱さを同時に見せつける、複雑で興味深い物語と言えるでしょう。

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